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最近の社会問題、政治問題となったものに、偽装した構造計算でのマンション建設、雪印の牛乳、不二家、ミートホープ、赤福餅等食品、中国製品、砒素毒カレー事件、光市の母子殺人、児童の致傷、女児殺傷事件等・・・


 その根源の一つには自己主張のみ強くて得手勝手な人間が非常に増えたためではなかろうか。林麻須美被告は卒業時に書いた「私の人生は自由」という言葉が思い出される。


 さて、ロータリーの考え方は、自分勝手な生き方の正反対である。ご承知の通り、ロータリーの基本にシェルドンはサーヴィス(Service)をおきました。 この「サーヴィス」は邦訳の「奉仕」より遥かに概念が広く、人のためになる行為全体を指しています。


例えば電車で不自由な人に席を譲るこれもサーヴィスです。家庭でご夫人方にサーヴィスの精神(これは思いやりの精神とも言える)で接するのは大切だが、これをご夫人方への奉仕と言ったのでは意味が通りません。


広辞林は奉仕の意味として第一に「仕えまつること」第二には「自己の利害をはなれて長上の者や公共のためにつくすこと」と書いてあります。奉仕という言葉は縦社会での意味合いが強いです。


 「サーヴィス」という意味は、論語の中の「忠恕」という言葉に極似である。「忠」というのは内なる真心に背かないこと、自分の倫理観に背かない。「恕」というのは真心による他人への思いやり。なるほど、本当は「サーヴィス」というのは古い言い方かも知れないが「忠恕」というのがぴったりです。


日本のロータリーの草分けの三代の米山梅吉、井坂孝、村田省蔵ガバナーはserviceを邦訳にせずそのまま、「サーヴィス」としておられました。  サーヴィスと倫理の関係を考えると、サーヴィス、人のために役立つにはモラルが高くなければなりません。サーヴィスからモラルに通じる、従って以前の手続要覧には、道徳律が記載されていました。ロータリーの綱領(目的)が示すように、ロータリアンには立派なモラルが求められます。


 ロータリーの例会は修養の場であるというのが米山梅吉さんたちの考えでした。また、ガイ・ガンディカー氏の言葉をその「ロータリー通解」から引用してみましょう。これは当時のロータリアン達のバイブルでした。 ロータリー・クラブの構成と諸目的

1.会員個々人の向上

2.会員の企業を、理想と実際の両面において向上せしめること

3.会員の属す職種全体向上

4.会員の家、町、州および国、ならびに社会全体を向上せしめること


この、「人の役に立とう」というサーヴィスの精神は、シェルドンの言うように、より良き社会を造ると共に本人の幸せに通じるという考え方を強調しております。


これが、「最も良く奉仕するもの、最も良く報われる(He profits most who serves best.)」というモットーが生まれた所以です。


また、「四つのテスト」を従業員に浸透させる事により、企業を再生させたというテーラー氏のやり方にも通じるものです。家庭でもサーヴィスの精神は、幸せな家庭を築くことでしょう。日本のことわざ「積善の家に余慶あり」とか、「情けは人のためならず」というのも、同様な考え方を示しています。


この「ロータリーの心」を大事にし、さらに日本がより良い社会へなるよう、そしてロータリアンの方々が、一層幸せで豊かな人生を送られるよう願っています。

Service:Done to help or benefit another or others


■職業奉仕(Vocational Service) 一般の職業の方が、日常の業務の中での普通に行う職業活動の中での職業奉仕、ヴォケーショナル・サーヴィスができると思います。vocationは「天から与えられた、神様から与えられた、世の中のためになる職業である。」単なる職業はoccupationという。 ロータリーでは、利益をあげようと思って職業奉仕をするものでなく、天職を通じたサーヴィス(職業奉仕)、相手のことを考え、皆のためになるように、そういう職業活動をする。それがビジネスの繁栄につながるという考えです。


■クラブ奉仕(Club Service) クラブのためになる考えであり、そして行為です。ですから会員全員ができるし、是非やるべきです。

(例)

・例会出席から始まり、欠席時は欠席連絡をする。

・クラブ行事にできるだけ協力し出席する。

・行事の案内には早く返事をして、事務局の手を煩わさない。

・立派な会員の推薦


「ロータリーの心と原点」より(著者)RI2700地区PDG廣畑 富雄