山田スイッチの『言い得て妙』 仕事と育児の荒波に、お母さんはもうどうやって原稿を書いてるのかわからなくなってきました。。。 -206ページ目

永野雅子写真展

雅子さんに出会ったのは、

弘前の巨大な煉瓦倉庫の中で開かれた、

奈良美智展のカフェだった。


彼女は2005年の奈良美智弘前展の

写真家さんである。

写真家・雅子さん。

彼女の名前をHAPPY HOURのBBSにに見つけると、

いつも、いいようもない緊張を覚えていた。


名前から姿を想像してしまう。

中学の時に同級生だった同じ名前の「雅子ちゃん」が浮かび、

しばらくの間私は雅子さんを、

同級生の雅子ちゃんの顔で 覚えていた。


私の同級生だった雅子ちゃんは、

もう、名字が何、雅子さんだったか覚えてないのだが、

背が高く、凛とした印象を持つ子だった。


だから、雅子さん という名前を見かけると、

いつも。背の高い凛とした、「雅子ちゃん」の姿を思い浮かべた。

その姿で、私はいつもBBSの流れる情報を読む。

どんな名前の人も、

一瞬で姿を想像してしまう。


言葉しか残らないBBSから、私はいつも姿を想像して画面を見てしまう。

だから私の脳内BBSは、人々が映像で喋り合っている。

その中でも雅子さんの使う言葉は、

写真家の言葉だった。


世界の、ほつれるような言葉にならないものを

映し出す写真のように、

一言、ひとことが美しかった。

とても遠い世界の人に思えたので、

もし近くにいても、

時が降りてくるまでは出会えないと思っていた。


一年か二年かをBBSの前で過ごし、そして時が降りてきた。


実をいうと、雅子さんに出会ったその日は、

私の中の「何か」が漏れ出してる一日であって、

十ヶ月間腹の中にいた子供を出産し、

産後三週間を産んだ子と一緒に

まるで繭の中のような家で過ごして。

そんな毎日から初めて、表へ出た一日だった。


今でもその日の空気の色を思い出すことができる。

外の世界の空気が私に押し寄せてくるように見えた

どんな空気も私を乱した。

ましてや向かった先は弘前の聖地……吉井酒造煉瓦倉庫である。


奈良さんの作品は押し寄せる世界のようで、

煉瓦倉庫の空気は私を遠く連れ去って、

心がハラハラと泣き叫んで、

その後、雅子さんの写真に、もう一度出会った。


一度目は、弘前展のカタログにある、雅子さんの写真集。

開けた途端に 光に反射して残る、雪の足跡が出てきた。

それはほんの一瞬にしか見えない、美しく儚いものであって

今まで見たこともない、「消え去りそうな世界」 だった。


こんな形にならない気持ちを 形にされると、

私は涙がとまらなくなってしまう


それでしょうがなく、なんだか泣きながら、

出会ってしまった


ようやく私は雅子さんに、出会えたのだ。

雅子さんは 中学の同級生の 雅子ちゃんと

やっぱり姿は違っていたけど、

凛とした印象は同じだった。


ノドが苦しくて、うまく喋れなかったけど

私は恋をするより多くを感じていた。

何故か それでもう充分だと思えた



東京に住んでる方に、ぜひ、見てきてほしい写真展があります。

 ほんの数秒先には、消え去ってしまいそうな世界を。

写真にしてしまうすばらしい写真家さんがいます。

彼女は写真に する。

こころにしか残せないような、形にならないいっときを。 
 あまりにも美しい弘前の空気が、そこにある。

■ 永野雅子写真展 I NEVER FORGET YOU.
Yoshitomo NARA From the Depth of My Drawer
弘前展の記憶

撮影 永野雅子
会期 2005年7月26日(火)~31日(日)12:00~19:00
場所 studio Sarrut AOYAMA
   150-0001東京都渋谷区神宮前4-9-16 1F
   TEL:03-3403-3605
   
http://www.sarrut.com
協力 「奈良美智展 弘前」実行委員会



シャネルのせっけん

shane


石鹸好きの山田スイッチの元に、とうとう

シャネルの石鹸 というものが現れました……。


自宅の押入からシャネルの石鹸が……。

何故押入から・・・。

いや、買った覚えはないですよ、普通シャネルで、石鹸なんか買わないッスよ。

家には本当に予期せぬものが眠ってるんです。

なんか、サウナとか……。

お義父さんが一昔前に購入した、一人用サウナ(邪魔)があったり、

ダイエット用バイク(超邪魔)があったり、

シャネルの石鹸があったりと色々なんですが。


そういうものが十年前から放置されたままの状態なんで、

時折変なものが出てくるんですよね。


シャネルの石鹸って

シャネルの石鹸って、

「高く売れるんじゃねえの!?」


一瞬そう思った私でしたが、石鹸好きとしてここで逃げては

女がすたると思い、恐る恐る箱を解きました……。


おおお、きちんとしたラッピング……これって本当に石鹸かよ?

そしてそれを留めるのも、シャネルマークのシールっす。

そんで、ラッピングをむきむき剥いてみると、

中にもシャネルの刻印が!



CHANEL NO19


って、シャネルの19番ってこと!?

でかい! でかいよ、この石鹸!!


匂いはですね……、

超・高級。マッダーーーーームな感じですね。

ネットで泡立ててみたらなんだかすごく、

「高そう」な、泡立ち加減。ううお~、ふわっっっふわ!!

それにしてもシャネル……アンタは何でも作っちまうのな……。

長靴作られたときも驚いたけど、

石鹸まで作ってるとはよ。


泡立ちいいです。


基本的なこと聞いていいですか?

シャネルって一体、

何屋なの?


あのマークさえ入れれば、何やってもいいの?

シャネルのおぼんっていうのもあるの?


そんで、泡。あまりにも泡立ちがいいから思わず、

顔洗ってしまいました……。

大丈夫でした。


シャネル万歳


ダースベイダーがレモン持って

ザ・テレビジョ~ン!


というわけで、

二日も三日も休んだブログですが。

休日はねえ、ほとんど洗濯して過ごしてましたね。

……スターウォーズ?

いや、3ヶ月の子供連れて観にいけるわけないでしょう?

その代わり、ケンさんが一人で観に行きましたけどね。

今後、観に行かれる方のためを思って話の内容はここには書きませんけど、


ダースベイダーがレモン持ってたって本当なの??

ザ・テレビジョンの表紙がそうだったって、本当なの??


相変わらず煙に巻きっぱなしのケンさんです。


そんなことより山田家では子供(3ヶ月)が突然、

うんこをしなくなったことが波紋を呼んでいました。

それまで一日五回、六回と出てたうんこです。

何故、一日も出なくなる?


ジイサンが寂しそうな目をして言います。

「生人のうんこ出ねなー……」

バアサンも言います。

「うんこ一体、どうしたんだっけなー……。」


山田家の関心事は、うんこ。

ダースベイダーよりもうんこ。

ロンドン・テロ事件よりもうんこ?


三日経ってもうんこが出ずに不安に襲われた我々ですが、

四日目の朝に、地獄絵巻のようなうんこに遭遇。

どうやら三日間、うんこを溜めてたご様子です。

関係ないけど、赤ちゃんの便秘やなんかで悩んでる人は、

「赤ちゃん 便秘」で検索かけるといいよ!

驚くほど早く情報が得られます。

2、3ヶ月でヤツらは突然、「うんこをまとめて出す」のだそうです。



なんだかまとまりがなくなってしまいましたが、

最後に一言いうとしたら、


ダースベイダーも人の子。

トイレじゃうんこを、「まとめて出す」



もちろん便器にしゃがんでだ……エピソード3、まだ観てないよ……。

山田家にテロ


赤ちゃんが現れるとその家のそれまでの生活は、
一瞬にして破壊されますね。
もうコーヒーとか熱いもの飲んでる場合じゃないですよ。
麦茶が飲めればいい方ですよ。

この間、赤子連れて飲みに行った時、
私が口にできたのはウーロン茶一杯でしたが、
「プッッッハー!!! うんめええええ!!!!」

「ウーロン茶を飲んだ人の感想ではない」と人に言われました。


そんなわけで。
生活を変えられるのは何も、お母さんに限ったことではありません。
もちろんお父さんにも変わってもらった方が後々楽だと思った私は
せめて、お風呂と子を二階に運ぶ作業だけは父となった
噂のケンさん……ケンさん……ケンさん……に、
お願いしてたのですよ。

ところがその日、ケンさんは眠かった。

「ねー、運んでー」言うても、起きやしないのですよ。
それで、頭に来て部屋中の電気を消したら寝呆けたケンさんは
「なんぼ、マネのよ」(なんてダメなコトするのよ)
といい、布団を被って寝てしまいました・・・。
何故かケンさんは、自分の部屋の電気とテレビを消されるのを
極端に嫌う。それで私はつけっぱなしの電気とテレビが
大嫌い
なのですね。

もう、ツインピークスのボブばりに
ストッキングに石鹸でも入れて殴りつけようかと
思ったのですが、そういう時に浮かぶ言葉があるんですね・・・
今日は「将太の寿司」じゃないよ。

「愛を投げれば愛が返って来る。憎しみを投げれば、憎しみが返ってくる」
という言葉なのですね。恐らく、バイ・美輪明宏・・・。


なので、寝ているケンさんを殴るのは止めましたが、
私の心にはまだまだ黒い感情が渦巻いていました。


憎い…恋しい…憎い…恋しい……めぐり~巡って今は……憎い!!

バイ、八代亜紀『雨の慕情』……。(途中まで)
だけどもよく言う話で、「女はいつまでも過去のことを、
ほじくり返しては蒸し返し、決して忘れることはない」
って言うじゃないですか。

そりゃそうさ、相手に不利で自分に有利なことは決して忘れないさ?
だけどそんな愚痴愚痴した女との一緒は、イヤ!!


息子と一緒に八代亜紀を歌いながら。その日は何事もなかったように
過ごしました。(いや結構、何事かあったよ?)

しかし、翌朝になってみると
男の人ってうちの親もそうだけどさ、
すっかり忘れて「俺なんかしたっけ?」って顔でいるのね。
怒りの沸点が違うわけだからさ。
怒っても意味ない、つーかムダなんだなってのが
よっっっく、わかるのですよ。よかった、ムダなことしなくて。


でも、流石に昨日のことをぼんやり覚えてるケンさんは、
逆に叱られなかったのが不気味なのか、少々かわいこぶって
叱って欲しそうなんですね……。ちらちらってこっち見るんですよ。
くはあー! カワイイイイ!!


しかし、育児に追われて余裕がないときは
こんな「一晩待つ」なんてことはしません。
ケンさんが実験的に足を蹴ってきたら、ものも言わずに蹴り返しますよ。
一瞬たりとも自分の中にストレスを溜め込めないのですよ。
その時のケンさんの台詞。

「ホラ見ろ、テロにあった国が戦争始めれば野蛮だなんて言うくせに、
自分が蹴られれば蹴り返さずにいられない、それが人の、正体だ!」

「………あ然………。」
「実験してみた!」
「………あ然。」


憎しみを投げれば、憎しみが返ってくる。
愛を投げれば、愛が返ってくる。
その前に、


「そんな実験はせんでええ」

と言いたい私なのでした。

本日、3ヶ月児を連れて温泉です。

赤ん坊いたら何もできないって言ってたら、

赤ん坊なんか銀行に預けて来いと言われました……スイッチです。


そうか、銀行か……って、預かってくれんのかよ!?

そんなわけで、

行ってきました、大坊温泉。

3ヶ月になったばかりでデビューする場所が多いです。

まずしょっぱなから、「岩木山。」

ドライブですよ。

赤ちゃんドライブ。

ずっと寝ててラクでした。


そんで次が「大坊温泉。」

師匠の父の代から我が家では赤ん坊は大坊温泉に

連れて行くのを常としていたらしく、

子供連れの温泉でも、人数でハバ効かしていけば

どうにかなるもんでした。

五人の大人で一人の赤子をカバーするくらい、わけないよ?


私流の子育ては、

とにかく昼のうちに疲れさせて、ひっくり返して腕筋鍛えさせて、

風呂につけて体力を奪って、

「夜に熟睡させる」ことです。

夜泣きなんてさせやしない。


今のところ、これが効をなしているのか、

夜中、起きやしないですね。


しかし困ったことが一つ。

これをやると、親の方もフラフラで

起きられやしないのですよ。


しょうがねえなあということで。

白鳥のオマル。

今日はケンさんと西松屋へ。

うさぎのマークの西松屋はベビー用品の揃う店。

しかもバカ安! ベビー服298円とかもあって、びびる。

そこで我々はオマルを物色していた……。


オマル……オマル……


オマルが欲しい……。


我が子はまだ3ヶ月であるからして、

オマルにはまだまだ早すぎる年齢なのですが。

(年齢というか、月齢か。)


ある方から聞いた話によると、

生後二ヶ月からトイレに座らせると驚くほど早くオムツが取れる

のだそうですよ。


なんだか魅惑的な話ですが、さすがに二ヶ月じゃ早すぎるだろう? と思って

一ヶ月待ってみたんですね。

おうよ、トイレに座ってもらいましょうか、ということで。


だけども流石に子供用補助便座(2歳用)

というのは早すぎる気がしたのでオマルを探した。


「ケンさん、なんだかオシャレなオマルがいっぱいあるよ……

アンパンマンとか。……オマルって、白鳥の形してるもんじゃなかったのかな?」


するとケンさんは言いました。

「白鳥のが欲しかったの……?店の人に聞けば、

奥から埃のかぶった白鳥のオマルが出てくるはずだや?

『これが最後の一個です』って」

本当かよ!


何故かその一言で「白鳥のオマル以外を買うのは臆病者(チキン)」

という気分になり、我々は白鳥以外のオマルを買うことを諦めた……。


「大体、師匠のうんこがでかすぎるんだよ……。3ヶ月児なのになんで、

九ヶ月児用のオムツカバーしてるんだよ……。体重8キロあるし一ヶ月で首は据わるし、

二ヶ月で喋り始めるし……。」

「……来年には、チン毛が生えるな


いや、生えないって。

押し寄せる世界と孤独

アートという言葉でくくるのはあんまりにも

ださい気がする最近だけど、

アート以外に例える言葉がないのでしょうがない

真のアーティストは、孤独であると思うのだ。


4~5年前に、

アラーキーの写真展で観た「ピンクのコート」は凄かった。


「ピンクのコート」は、

別になんの芸術性も感じられない普通の「ピンクのコート」

だったのだけども、

透明なカプセルに入ったその「ピンクのコート」は、

こわいくらいの思い入れとか、

そういった、感情が込められていて

そのコートを飾った理由なんて一つも聞かなかったけど

そのコートから、あまりにも切ない苦しい空気が押し寄せてきて

涙が出た。


昔のアラーキーの写真集を観ると

カメラを覗き込むレンズが

もうこの世にはいない奥さんの影を探している。


陽子がいない

陽子がいない

明日、どんな幸福が訪れようと、

陽子がいない


魂からにじんでくる膨大な悲しみ

世界にたった一人で

笑っていても、陽子がいなくて、ひとりぽっちで。

そういう時、

世界は身体に押し寄せてくる。


自分対世界が

1:1になったとき、

世界は自分の目の前に押し寄せてくる。


莫大な孤独に押し寄せてくる

身体の中に、こわいくらいに入り込んでくる

自分の余裕がなくなっていく

大きな世界が身体に入り込んでくるのだ。


「感じきれぬ」と拒んでも

有無を言わさず世界は自分に押し寄せる

その時押されるシャッターが

純粋な、1:1の世界を映し出すのだ。

世界対自分が同じ量で拡がっていく。

世界は私と1:1なのだ。


人に振られた後に見た、弘前の夜桜が一番美しかった

何度見ても、あの時見た夜桜よりも美しい桜は見たことがない

絶対的な孤独 そういうものを私はやっぱり

求めている


恐ろしいほどの孤独

世界をただ静かに見つめられたなら。

その時多分、

小説が書ける。


洗濯が好き~ウタマロ石けん

ウタマロ石けん

そんなこんなでまたしても、

洗濯用石けんを作ってしまいました。

いらなそうな石けん見つける度に作ってしまうんだけど、


石けん削って、熱湯加えてって、簡単だけどもっと簡単な方法でできる洗濯用石けんす。


我が家に何年もなくならずにそこにある、

巨大石けん「ウタマロ」……。

ものすごく汚れが落ちるので、

靴洗いにかかせないアイテムとして

重宝していたのですが、


でかすぎてなくならず、

洗面所の高温多湿っぷりに負けに負けて

どろどろになってたんですね。

ウタマロが。

揚げ出し豆腐一丁とほぼ同じサイズで、一個140円なり。


コイツが見た目にもあまり良くないので今回、洗濯せっけんとして

生まれ変わってもらうことにしました。


まず、このやわらかーくなったウタマロ石けんを


①包丁でテキトウに切る。

そんで、テキトウに切ったものをミキサーにテキトウに、

②投入する。

それに熱湯少量を加えて、

③かくはん。

泡ぶくぶくになります。混ざったら大体、石けんと同じ量の熱湯を

④投入してかくはん。


⑤あまった瓶に入れて放置。

⑥二時間くらいでババロア状になる。


すると、あっという間に洗濯用石けんのできあがりです!

このウタマロ石けん、見た目はキレイな水色で、裏表示を見たら純石けんでした。


ご使用の際は普通の洗濯用洗剤と同じ量を

ネットに入れて洗濯機に投入。

水温が高いほど汚れ落ちもいいです。


ドロドロになった石けんの再利用に。

石けんがカサカサだったら、包丁で削ってね。


汚れ落ち半端ないよ・・・。



お前は夜寝ているんだろう?

はいっそういうわけでね!


子育て街道まっさかりの山田スイッチです!

オムツは布派のスイッチです。

そんなわけだから朝から晩まで一日中洗濯。

本当に一日中洗濯。


大体一日は洗濯してるか洗濯干してるか洗濯たたんでるかの

どれかですよ……。


そんで、今月〆切ですよ。230枚校正。

校正だからラクできるだろうと思って校正してたら、校正って、

230枚書き直しとおんなじ意味、な。

びっくりしたなあ!


あああダメダメ、悪いの自分。

仕事しないでブログ書いてる自分が悪いの。

悪いの悪いの、とんでけーって、

なかなか飛んでいかないですね。


そして赤子が泣いててオムツ開けると

おしっこシャーってかけられて、ドリフかよ!? って

母子ともにしっこまみれで、

洗濯物2倍2倍の倍々ゲームなんですが。


「やはり、育児と仕事は、両立できないのではないか……?」

そう、思った瞬間に浮かぶ言葉があるんですね。

「お前は夜寝てるんだろう?」

………バイ、『将太の寿司』、ですわ。

築地で「目利きのタツ」に、将太が言われたセリフ。


お前は夜寝てるんだろう?


  その続きはこうなんですよ。


「築地は二時からやってるぜ?」


    ぎょー!!!!!


そう、よく考えたら、夜。寝なきゃいいんだよね!

時間は無限にあるんじゃないんだし、

夜寝なきゃいいんだよね!!


そんなわけでアスパラドリンク片手に一昨日、貫徹したら

翌朝、減量中のボクサーよりもフラフラしてました……。


   お前は夜寝てるんだろう?


いや、夜くらい寝させてよ……。

「お前の未来には絶望が待っている。」

ケンさんという人は時折、哲学的なことを

言ってのける人で。結婚前に言われたのがこの台詞だった。


「お前の未来には絶望が待っている。」

「そうなの……!?」そう驚いて結婚しちゃったわけなのだが。

その時私は、親友に結婚式に来られないと言われて

そーとーなショックを受けていて、

ショックに負けて

ケンさんに向かって愚痴をこぼした。


「あのね、友達がね、仕事があるからって結婚式来れないって、だけど

他の誰よりあの子が来てくんなきゃ意味がないのに!結婚式はさ来週なのに!」

ケンさんはフンフンと黙って聞き終えると、こう言った。


「お前の未来には絶望が待っている」

と。


「絶望……!? そうか! わかった……、わかったよ!」

何故か私は納得がいってしまった。

結婚式前。私はこれから先、本当に「いいことばかりが起こる」と思っていたので。

ちょっとのことで深く深く落ち込んでいたわけで。でも、


最初っから絶望が待ってるんなら

何が起こってもなんてことはないよね。


そう安心したので、結婚してからはそうそう落ち込むということはなくなったのだった。

そんなケンさんが先日、自宅でパソコンを打ち終えると、

振り返ってこう言った。


「昔、『ふたりっこ』っていうドラマに出てた双子の子役が成長して、

一人は映画評論家になり、もう一人はファッション評論家になるという

話を思いついた。」


………。

それって、おすぎとピーコじゃん!


マナカナの将来は、一人は映画評論家、もう一人はファッション評論家なのか?


まあ、

ケンさんは言ったあとすぐに、忘れてしまうんだけどね。

以下次号。(……続かないて。)