二月の自選、短歌 | アマゾンに背を向けて

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短歌を作っています。鹿ヶ谷街庵です。ししがたにがいあんと読みます。

キスのときフェイントかける ひな鳥のような顔した君をみたくて
童貞のけだるさ夏につつまれて旅にでる日をただ待っている
きみが編んだマフラーぐるぐる巻きにして(嘘なんだけど)めちゃくちゃ褒める 
ゾンビって腸が出てても痛くない?考えすぎて眠れなくなる
ニット帽かぶる冬の日わさわさと僕のくちからでるハムスター
水鳥に小石を投げる少年を叱るじじいにいいねをつける
みずうみをひとり眺めるときにくる水琴窟のようなさびしさ
発熱のようなわたしの初恋をピノに封じてあなたにあげる
高熱にあえぐわたしの顔面を巨大なパグが舐め続けてる
遠い日の破滅をおもう 飲みながら阿佐田哲也を読むときなんか