なんでだろうな。対女性だった時にはいつだって誘うのは自分だったはずなのに
対智くんとなるとやたらと恥ずかしくてそんなことできやしない。
立場的なことももちろんある。俺も男なのだから抱いてなどと言うのに
躊躇するのも無理ない話だろう。そこは察して智くんから誘っていただかないと。
…今度こっそり二宮さんに聞いてみようかな。
自分からさそったことある?って。

聞ける気がしねえ!!!いやいや無理でしょ。
あの人にそんなの聞いたら遊ばれる気がしてならない。
いや、案外真っ赤になるかもしれない。
相葉さんのこととなるといつもの飄々とした態度が一変したりもするし。

「翔くん、なに難しい顔してんだ?」
「あ、いや。その交渉術といいますか、なんといいますか。」
「ふーん、てっきり俺とヤリタイって考えてくれてると思ったのに。」

ぶほ!!!!!!思いっきりビールを噴出した。
な、な、なんですと!?

「な、なに言って!?」
「ずーっと色っぽい目でチラチラ見てるから期待してたんだけどなあ。」

ば、ばれていたようです。やばい。どうしよう。

「誘ってくれねーの?」
「へ!?いや、それはその、、。」
「俺、翔くんに誘われてぇなあ。」

う。。。そんな期待に満ちた目で俺を見ないで。
いや、だからね。誘い方ってもんが俺には分からないのよ。
情けないけど、それが正直な気持ち。

じりじり。ソファ下に座る智くんに膝で近寄る。
ん?優しい目で問いかける彼にちゅっと唇を寄せた。

「お、おお。」
「あの、、誘われてくれる?」
「ふは!!!翔くんはかわええなあ。」

嬉しそうに笑って俺をぎゅっと抱きしめてくれた。

「じゃあ、ベッド行こうか。」

なんて、普段は見せてくれない大人の男の目をして言うんだ。
結局、誘ってくれてるのは智くんじゃないの?と思わなくはないけど
ま、俺にしてはがんばったということで許して欲しい。

手を引かれ寝室へと足を踏み入れ、今度はちゃんとしたキスをした。
誘い、誘われ、また誘い。心も身体も満足するまで抱き合おう。
時間と体力が許す限り、、、、って限界はわりと早かったけど。

この先もこうしてあなたと一緒にいたい。
願いをこめて隣で眠るあなたのおでこにそうっとキスを落とした。