娘の10年 | 青空の向こう側 ~悪性脳腫瘍と闘った息子の闘病記とその後‥……~

青空の向こう側 ~悪性脳腫瘍と闘った息子の闘病記とその後‥……~

11才の息子taaを2014年2月に脳腫瘍で亡くしました。taaの頑張った足跡と、私、母親の当時の思いや今の気持ちを残そうと思います。     
~追記~
taaが亡くなった後、兄が不登校になりました。全日制の高校を中退。通信制へ転入しました。

娘の4年生最後の参観日。

少し前からかわいい招待状まで作ってくれて、張り切ってました。



お母さんへ

1/2成人式をします♪
きてください♪    

ぜったいにきてね

娘の成長を誰よりも喜び、感動しているのは私だと胸を張って言えます。



泣くかもしれないな………

でも、泣かない。




そんな覚悟を持って出掛けました。




式では、先生の "親さんを泣かせよう" という魂胆見え見えの演出が多々ありましたが、身構えていた私はひらりとかわしてやりました(笑)



そんな私の隣にいた人は、ビデオを構えているときはピクリとも動かず、スイッチを切ったとたんハンカチを取りだし鼻をすすり泣くわ泣くわ……。そしてまたビデオを構えるとピタリと泣き止む……



泣きすぎやろ……
の割にビデオ命か!
引くわーショックなうさぎ(笑)







10年間大切に育ててくれて
ありがとう




子供たちのその声に
感動しなかったんじゃない。



私の頭の中で、勝手に……というか、案の定……taaのことが浮かんできて、泣きそうだったのを必死に堪えていました。


10才のtaaは、娘と同じように私に手紙をくれた。
10才のtaaは、娘と同じように将来を夢見て語ってくれた。



そんな事思いながら泣いたら娘に申し訳なくて……。


娘の大切な日に、taaを思って泣いてはいけないと思っていたんです。




意識を必死に別の方向へ持っていきました。



そしたら………(笑)

隣の人の早々の涙にドン引きさせてもらって、ありがたく自分の涙をかわすことができたのです(笑)



taaの時は間違いなく、私が早泣きのドン引き母さんだったんですけどね。







さらに10年後には……。

成人式を迎えて……

とは正直もう言えないな。




10年前の自分が想像した10年後を生きていないから……

未来を思い描くことの恐怖は克服できそうにありません。








あなたとの10年は宝物です

ありがとう

これからもずっと大好きです

願わくば、

ずっとあなたの未来を見届けたい

そんな贅沢をお願いすることが怖いのです

口にすると

叶わなくなってしまいそうで怖いのです


今、笑ってるあなたを抱きしめること

それが大切であり

幸せなんです




10年

こちらこそありがとう