珍しいこと | ひなたぼっこ

ひなたぼっこ

虐待体験、家出、DV、妊娠、、手術、、、
日のあたる縁側に座って
のんびりと話して聞かせるような
思い出話じゃないから、、、ここに。

実父の葬儀の日から数日経ったある朝

 

また珍しく国際電話で母がかけてきた。

 

何事かと思いきや

 

 

     今ね、ここに晃兄ちゃんがいるんだよ

     昨夜、遅くに来たから泊まらせた。

 

へぇ?

 

多分、いや絶対、初めてのことだ。

兄が母を訪ねて来たなんて。

 

驚いて、ろくに返事もできずにいる私にかまわず

母は、受話器を晃兄さんに渡したらしく

静かな声で「もしもし、お久しぶりです」と聞こえて来た

 

 

こんな時、私は何を言えばいいのか

なんの心構えもなしにうろたえたけど

とりあえず、実父の病気のことや正確な命日など

聞きたかったことは聞けた。

葬儀当日、稀に見る大寒波の影響で交通が立ちいかず

しかもその日はどうしても休みが取れず

兄は参列していなかった。

 

    全て、弟(後妻との子)に任せっきりになっちゃった

 

そう申し訳なさそうに言った。

実父の故郷にいる親類も北国なので

雪の影響で駆けつけられなかったそうだ

 

そんなに大混乱な寒波ってどんな?と思った。

亡くなってから葬儀まで二日あったが本当に無理だったんだろうか

実の親が亡くなったと言うのに休めないってどんな企業?

 

そんな疑問もよぎる中

 

寂しい、静かな葬儀の様子を想像した。

 

話が進むにつれ

母があれだけ強く私に言いつけた「遺産相続」の話は

なんだか私が言うことでもない気がして切り出せなかった。

事務的に話をすることは難しくないが

兄にとっては生活を共にして来た「父」を失った悲しみもあるだろうし

今は少しデリカシーに欠けてるような気がして。

 

途絶えていた連絡先をもう一度確認して

この後、ねずみさんに駅まで送ってもらうらしいので

電話は慌ただしく終わった。

 

後で、母さんに心境聞いてみよう。

 

 

ちょっとした好奇心だった。