27期連続の増収増益を記録中と、まさに破竹の勢いが続くドン・キホーテ。
向かうところ敵なしといった快進撃の要因はどこにあるのでしょうか。
今日のテーマは、骨太で当社の社員に元ドンキの社員がいるので、あまり世間に公表されない裏話も盛り込んでおります。
ここまで書いていいのか?と躊躇しましましたが、出し惜しみをしません。
特に、お店の経営者さんには読んでもらいたいなぁ、と思って書いた記事です。
よろしくお願いします。
昔は名古屋には、ドンキが一店舗しかありませんでした。
当時は、僕も風貌がチンピラ風情なので人のことは言えませんが(笑)、まさにヤンキーのたまり場で客層も悪くイメージも悪かったです。
電化製品の取り扱いもチープなものばかりで、文具は高いし、すべてがいいという印象は全くありませんでした。
これも仕組みで、利益をガッツリとるところはとっているそうです。
文具は安そうに見えて、かなり利益率が高いそうです。
個人的に大好きなのがシャンプー・トリートメントの豊富なところ。
業務用も売っていて、値段はネットで買うよりもかなり安いです。
あとは、駄菓子コーナー。
幼少期に駄菓子屋さんが大好きでよく通っていたのですが、当時の商品が箱ごと安い値段で売っています。
見ているだけでワクワクするコーナーです。
僕が気に入っているジャンルは、なぜだか自然とドンキにとって薄利のジャンルになります(笑)。
これも社員が言っていたのですが、仕入原価をわざと割って売っている商品を前面に打ち出して、安く見せているそうです。
ドンキはトリートメント一個買いに行くお客さんに、いかにより多くのものをさらに買わせて帰らせるか!ここを一番需要視しているそうです。
今ではかなり店舗数も増え、家の近所にもできました。
毎日夜中まで働いている僕には、大変ありがたい場所になっています。
最近は、そもそも円高でインバウンド需要の恩恵を受けている感じもあり、アジア系の観光客も多いし、場所柄、高校生や、週末には家族で買いに来ている様子も見られるようになっています。
もともとドン・キホーテの 「 小売店 」 としての特徴は、お得感あふれる低価格戦略にありました。
それに加えて、豊富な商品ラインアップ。
天井近くまで高く積み上げられた商品に、埋もれそうになりながら買い物をするタワー陳列が顧客をワクワクさせる最大の秘密にあります。
商品の多さももちろんですが、そこに 「 選ぶ 」 楽しさが加わっています。
単なる買い物ではなく、まるでエンタテーメント・パークにいるような気にさせています。
ドン・キホーテでは、モノを安く売っているだけでなく、「 楽しさ 」 もいろんなところに仕掛けがしてあって商品を提供するようにしている、と元社員が言っていました。
また、手書き「風」POPも大事な戦略だと言っていました。
たとえば、単なる商品名と価格の表記だけでなく、「 うまみたっぷり ハンバーグ弁当 」 など実際に店員が体験した内容を一言そえられているので、買う側としても、ここにも選ぶ楽しさを見つけることができます。
また買ったあとにお客さんがどうなるか、をわかりやすく想像させてくれるので購買の一助になっているようです^^
中小企業はドン・キホーテに何を学ぶべきか?
単に安売りのチェーン店、というだけでなく、「 何を、誰に、どうやって 」 買ってもらうかという、売れる公式の一つ一つに、小さな工夫をちりばめていると元社員は言っています。
まず、売るモノは商品だけでなく 「 買う楽しさ 」 も合わせて売る。
店頭でのコミュニケーションも、手書きでいいので、一言 「 おすすめ商品 」 とその理由を添えます。
そして、陳列方法には門外不出の秘伝の方法があるそうです。
これは、社員であっても不文律なので知っている社員も僅かだそうです。
あなたも一度でもドンキに行ったことがあるなら、分かると思います。
はっきり言って、スタッフのサービスはほとんどありません。
むしろ、話しかけると迷惑そうな顔をして最悪の対応のイメージのほうが多いくらいです。
そうなんです。
命を掛けているところが、接客応対ではないんです。
店員の接客サービスを全く要せずに、客を楽しませる工夫・仕組みがドンキには出来上がっているのです。
それが伝家の宝刀、 「 ゴールデンゾーン 」。
お店の8割が、このゴールデンゾーンの売り上げでまかなわれているそうです。
残りの2割は単なる飾りで、商品の種類や量を豊富に見せている役割にすぎないのです。
実際に、ゴールデンゾーン以外の商品はほとんど売れていないそうで、また売れなくてぜんぜん良いそうです。
そして、ゴールデンソーンに置いた商品の売り切れるまでの時間も、綿密に管理されているそうです。
「 陳列したら、ものの数十分で完売!」 というのがしょっちゅうだそうです。
社員の評価基準も、ここに集約されています。
何をおくか、どうやってみせるか、どうすれば瞬時に売り切れるか、等々そればっか考えているそうです。
店員さんをよくよく見てみてください。
レジのスタッフに目が行きがちですが、陳列や商品の補充作業に命をかけてやっているスタッフが、ドンキの稼ぎ頭になっているのです。
今度行ってみた時に、上記の視点でいろいろ体験してみてください。
いろんなヒントが満載で、参考になることがきっと多いと思います^^