これからのために、忘れないように。
私、嫌な事は忘れようとしてしまうので。
どんな事にも負けないために。

記録






院長の指示に背き、お面を外す看護師さんが徐々に出てくる。


そして3姉妹看護師さんも私の味方になってくれていった。


次女は私の為に阪急で買ってきた高級ハチミツ(笑)を点滴し、


美顔器・フットマッサージャー(;^ω^Aでケアしてくれた。


どの看護師さんも


私が眠るまで手を繋いで話しかけてくれた。






しかし仕打ちは家族に及んだ。


あの夫は仕事をサボり嫁を見舞っているろくでもない奴だ、


夫は勤め先を偽る詐欺師だ、


あいつは見舞いの振りをして院内で悪事を働いていると、


みなに触れ回るヤクザが現れる。


しかも夫の会社を名乗り、悪事を働いていた。




兄家族は犯罪を犯し逃亡中、


私の病室の隣に住み込み、


毎日私に会いに来る。


甥はよくドアから私の部屋を覗いていた。


兄は医者としてバイトを始める。


しかし偽者のため捕まる。


義姉・姪甥は薬物中毒だった。




夫の義姉家族の家が放火される。


看護師さんに、


中2の姪が居てどこに住んでいるか話したためだ。




嫌がらせ。


個人情報の流出に過敏になり、口を閉ざし話をしなくなる。


挙句嘘を言うようにした。




私は夫に、


ご飯を忘れられているとからお腹が空いている、


お弁当の残りは無いか?


そこの引き出しにお弁当が用意されているから持ってきて、


あそこの冷蔵庫にアイスが3本あるから一緒に食べよう。




お兄ちゃんは実はもう一人子供が居た上に、また子供が出来るよ。




北京オリンピック(2008年)の結果はどうやった?




今日病院のみんなが


頑張ろうぜ的な私の激励会をしてくれる。


梅田であるから服を持ってきて。




○○ちゃんが病院で働いているよ!


今日話をしたよ。




よろよろの筆談で伝える。




母が、私誰だかわかる?この人は?と聞いてくる。


誰かは分かっているけど声が出ない。


声が出ないなら書いてと紙とペンを渡されるが


手に力が入らず、腕も上がらないし握力も無く字がかけない。


『おまえはだれだ』と書いた…


母は驚いて泣きそうだった。




起きていると怖いことだらけだから、


怖くて眠ろうとする。




ICUから個室へ。


音が気になるからドアを閉めてとお願いしたが、


すりガラスに映る人影が怖いと言って


やっぱり開けっ放しにしておいてもらった。




点滴が徐々に外れていく頃には


夫の詐欺師疑惑も


偶然同じ病院に入院していた会社の役員の方に潔白を証明してもらえ、


疑惑は収まった。




憔悴していたものの、


普通に戻った。


でも、


ずっと何が現実で何が夢なのかの


区別は出来なかった。


入院後初めて、


歩行機を使い20歩歩くことが出来た日までの


28日間の夢。。。




今でもたまに悪夢は見る。


つまづいてチューブが外れる。


バッテリーの交換をミスる。


余命宣告を受ける。。。




夫も同じような悪夢を見るようだ。