車から戻ってベットで横になり涙しながら、

知らないうちに眠ってしまった。


そして夢を見た。



ベットで泣いていると、かこっちょが帰ってきた。

濃いブルーのニットに白いパンツ姿。

化粧もしてて、機械もついていなくて元気そう。


すごく嬉しくて、「あ~やっぱりあれは夢やったんや~」

って僕が言うと

かこっちょが「夢じゃないよ、ずっと入院してたやん。

全部ほんまに決まってるやんか」と言って胸元を見せてくれた。


その胸元には、まだ手術して間もない事がわかる

生々しい傷があった。


「なんでなん?今までの事は何やっやん?」って聞くと、

「今は仮死状態に出来る薬があって、それで死んだ

ように見せたんやで。ドッキリや!!」ってかこっちょが言った。


嬉しさと腹立たしさが混じった感情で「なんでそんなことするねん!

もう少しで後追うとこやったやんか!」って言った僕に、

かこっちょは全てを知っているような顔でにっこり笑った。



「最近、涼しくなってきてるから、風邪ひかないように

もう少し厚手の布団に変えないとあかんで」と言いながら、

かこっちょはベットの布団を厚手のものに交換してくれた。


それから、かこっちょはキッチンで何かをしていて、

僕はそれをベットに横になりながらじっと眺めていた。


いろいろ聞かないと、話さないとと思ったけど、それを眺めている

時間がすごく心地よくて、「そう。この感覚・安心、これやねん」

って浸っているうちに、気が付けば、かこっちょはもういなくなっていた。




気づくと、母がキッチンで何やら料理をしている。

そして、「布団変えたんやね」って母が僕に聞いてきた。


僕は「うん。かこっちょが涼しくなってきて風邪ひかない

ようにって交換してくれてん」って何気なく答えると、


母は「何を言うてるの、かこっちょはもういないんよ。

いい加減にして」って言いながら泣いていた。


やっぱり、かこっちょが来てくれたのは夢だったと

わかり、僕もまた悲しくなり泣いてしまった。




そこで目が覚めた。



いつものように、どこまでが夢で、どこからが現実なのか

少しの間わからなくなって、ベットの横にある置いてある

かこっちょの写真をみてようやく気が付く。


全部夢やったんや。

誰もいない一人ぼっちの今が現実なんだと・・・



今日は朝から悲しいことだらけ。午後も思いやられる。



僕の事は何でもわかってるような表情でにっこり

笑ったかこっちょの笑顔と胸に残った生々しい

傷跡が忘れられない。



今、こうしてブログに夢の話をアップしている

この瞬間も全部、夢やったらいいのに。


全部、全部 夢やったらいいのに。。。