・・・ソファーで寝転んだまま
カズが動かない


まるでソファーと一体化したみたいに
ピタッとソファーに納まっている
それはもう
カズが寝転がるために作られたソファーみたいだ


ダメもとで声を掛けてみる
潤「かずなりさん?」



カズ「うん。今忙しいにゃ
ですよね?
だと思った



潤「いつまで忙しいの?」



カズ「イベ終わるまでのんびり



小さい画面を見たまま
愛しい恋人はオレを見ない




・・・あっそう
いいよ
別にいいしっ!
ぜーんぜんいいしっ!




カズが一生懸命やってるゲームのイベを
邪魔すんのも可愛そうだし
こっち向いてくれんのを待ちましょう
待てるさ
オレだって大人ですから



カズ「潤きゅん  いじけた笑う?」
こっちを見もしないまま
オレの表情が想像つくの?
それとも見てないのに見えてるの?



潤「ぜーんぜんっ。よゆうーっ。」


友達から借りてる本でも読むか
カズが寝転んでるソファーに寄り掛かって
右肘をソファーについて
カズの太ももにちょっと頭をのせて
いいじゃん
悪くないでしょう
カズにくっついていられるんだから





カズ「梅雨イベだから、もう直ぐ終わるからねにゃ
数ページ読んだとこで
カズが話掛けてきた
ほっといたらほっといだで
寂しがるんだから(笑)


潤「梅雨イベ終わったら、夏イベじゃねーの?」



カズ「うん。そだね。もう予告出てるしすねる
だろ?
なんだかんだでさ
『おうちのカズ』は忙しいんだよ

ゲーム会社も飽きさせないように
イベントだのなんだのって 次々にやるもんだから
カズは『おうちのカズ』になっちゃう



カズ「ねっ?潤きゅーん照れる」 
おっ。甘い声///////



潤「なに?」
期待して  テキパキとしおりをはさんで本を閉じた



カズ「課金していい笑う?」



潤「だめ」
本を開いて、また続きを目で追う



カズ「ぶーーーーーっ冷たい



潤「適当に止めないと、何にもする時間無くなるぞ?」


カズ「いいもん。別に。何もしないもん冷たい



潤「何もしないの?」



カズ「うん。オレが忙しくても潤きゅんてゆー王子様がオレの面倒を見てくれるから大丈夫笑う


潤「・・・じゃあ面倒見ない」


カズ「ショック!・・・見ないの?」
おっ
ゲームの画面から一瞬オレの方へ視線がうつった(笑)


潤「見ないよ」


カズ「見るでしょにゃ?」


潤「見なーい」


カズ「見なさいよっ怒る


潤「どうしよっかなー」


ゲームを置いて
『うんしょっ』と言って起きたカズが
後ろからキュッとオレを抱きしめた

カズ「オレは潤きゅんが甲斐甲斐しく面倒を見てくれないと、愛してくれないと、課金してくれないと死んでしまう生き物なんだよ照れる


潤「なにそれ?どんな生き物?」


カズ「こーんなかわいい生き物照れる

身を乗り出したカズの顔のドアップが
右後ろから出てきた
こんなに近くで見ても
透き通るような肌の白さ
かわいらしい顔///////

潤「なるほど・・・   かわいいね」

顔だけ動かして触れるだけのキスをした


カズ「くふっ照れる


溶けちゃいそうな照れ笑いするカズがかわい過ぎて
優しく押し倒して跨る


カズ「潤きゅん   課・・・照れる


『金』と言い終わる前に
やわらかくて甘い唇を塞いだ

さぁオレ達のアツイ夜のはじまりはじまりー