Mark Levinson №26L | 禁断のKRELL

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Mark Levinson №26L 1988年 \1070000


伝説の初期レビンソン、最後の残り香。




№26Lはマークレビンソン中期に登場したエポック的なプリアンプです。


薄化粧的な美音を基調とし、艶やかで透明感のある音の響き、
それでいて音に芯がある。大変細やかな粒子感のきめ細かいサウンドで、
ハードで冷厳な存在感のある音を奏でます。

システムに対して支配力が大きく、プリを入れることで音の変化を

もっとも大きく感じられるモデルの一つ、ではないでしょうか?

低域の再現性の改善などは耳を疑うほどの凄さです。

絶対にパワーを変えたとしか思えません。26L、SLは
伝説の初期レビンソンの残り香を感じ取ることが出来る、同社最後のモデル
だったかも知れません。高いS/N比を背景に透明で静かなサウンドステージに
音と音楽が浮かび上がる。妖しいまでの色彩感、高い情報量、
ハイエンド・オーディオの凄みをハートに叩きつけてきます。
26Lと26SLの違いは基盤がガラスエキポシとテフロンとの違いだけで
回路や部品は完全に同一仕様です。SLは高域に磨きが掛かっており、
さらに磨き上げらた素晴らしい音質ですが、ジャズなどをゴリゴリ
鳴らすには26Lの方が良いと思います。SLとなることで音楽再生に

本来必要な芯の強さやエナジー感を喪失してしまったように感じられるのです。

プリアンプがスピーカーを駆動するという事を強く実感します。

そして高い解像度を誇っています。

落ち着きと繊細感、メリハリのある彫りの深い表現力、

所謂「雰囲気」はすごくあります。鳥肌が立つほどの凄い音がします。

高価な投資をするという対価としての満足感という意味でも、

その音質と機体の美しさ、精密感のあるボディーには説得力があります。

音はハード志向でややシビア、辛口な音です。

個性的なパワーアンプと組み合わせるには一考が必要かも知れません。

また、厳正で身が引き締まるような鋭さやキレの良さも持っていますから、
好みによってはリラックスして音楽を楽しめなくなることもあるかも知れません。
しかしながらジャズやロックの再生にかけては、本当に素晴らしい音質でした。
頂点を目指し、そして頂点を極めた、一時代を築いた歴史的な傑作プリアンプです。
世間的にそれほど評価は高くないマークレビンソン、26Lと同年代の
パワーアンプとの組み合わせはバッチリハマります!