SOPIATECNO Profact 300Bシングルアンプ | 禁断のKRELL

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ハイエンドオーディオやヴィンテージオーディオを語っていきます。

 

 

写真はネットから借用しました。

 

 

 


Profactは北海道旭川市にかつて在住した高級真空管アンプメーカー。

神戸の輸入商社SOPIATECNOの真空管アンプ部門。
特徴的なグレーの化粧ケース入りトランスとゴージャスな金色の天板で見分けられる。
あまりの音色の良さに詐欺や偽物の噂が立つほどであった。

SOPIATECNOの広大な倉庫には大量のWE球が眠っていたという逸話がある。
WEの真空管という保有する商材の音質をいかんなく発揮させられる

市販製アンプが少ない事からWEの真空管の素晴らしさを宣伝する目的で

WE球の能力を最大限発揮させる事にフォーカスして提携が始まった。

WEの鉄芯コアにWEのヴィンテージワイヤーで技術者が手巻きしたオリジナルトランスや
WEのエナメル単線を使った内部配線。ビルダーはProfact名義でもアンプを製作されていた。

Profactは大別してドイツ製出力管を使ったジャーマンヴィンテージサウンド系と
アメリカのWEサウンド系の二系統のアンプを製作していたが、
トランスは共通してWEのコア材とWEヴィンテージワイヤー巻き線を使用しているので、
どちらにもWEサウンドの支配力が表れている。主な販売経路はヤフオク!

現在は活動されていないようだ。あとは製作者に直接注文する形でオーダーができた。

 

 

 

事の始まりはこうだ、今から十数年前、拙宅に大阪府吹田市から訪問者がいらっしゃった。

その方は眼光鋭く、オーディオと真剣に向き合い、突き詰めようとしている姿勢が

はっきりと伝わってきた。聴くジャンルはクラシック専門、アナログオンリーで

スピーカーは実家にオートグラフ、自宅マンションにモニターレッドという方でした。

お使いのソピアテクノの300Bアンプの話を伺ったのはその時が初めてでした。

Celloのプリアンプを聴きに来られたのですが、『スカみたいな音やね』

と素っ気ない感想を頂戴した。そのときのソピアテクノの話がとても印象的で、

以来時折思い出しては、長年探し求めていたのですが、SOPIATECNOの

名前よりProfact名義で主に市場に流通していることを知らなかったので

入手に至るまで長い年月が過ぎ去ってしまいました。

 

最近になってお聞きしたのが、十年ほど前に活動休止のような状態になられたそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SOPIATECNO 300Bシングル 真空管パワーアンプ  日本  ――年  約¥500,000

 

 

 

 

 

三段増幅の負帰還形回路で音質は優美で繊細、本家WEの腰の据わった低域の強さや

鮮烈なハリ出しがなく、音の質感はソフトでマイルドだが、温度感が高くオレンジ色の

暖色の音色に包まれる。圧倒的に華やいだ雰囲気でWEトーンを完全再現している。

女性ボーカルはまさに熱唱!という感じだが、暑苦しくなくエンターテイニングなテイスト、

能天気なほど陽性の音色で、些か常軌を逸しているほどハジケている。

過剰なほどのサーヴィス精神で愉しませてくれる。魅惑的な癒し系サウンド。

官能的で耳当たりがよく聴き疲れがない。音楽性はきわめて高く、夢見心地で聴き入ってしまう。

聴いていて圧倒的に愉しく、非常に感動的な音色です。柔らかい音で直熱三極管の

切れ込みの良さを強調する音ではありません。かなり濃さはあるけど上品な聴き味です。

パワートランスとアウトプットトランスのみの真空管アンプも多い中、

各トランスはインプット、チョーク、パワー、アウトプットまで化粧ケース入りの豪華仕様。

現代アンプでもっともWEサウンドを忠実に再現したアンプと云って間違いないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

球の構成は 初段が 6J5/6C5/L63→6F6/WE349B→300B の三段構成。
整流管はオクタルの5U4GやCV378、5R4などが使用できます。
超高能率の励磁や100dBを超えるようなSPとの相性が特に良いです。
(TANNOYなどとの組み合わせも良かったです)
音味は比較的穏やかですが、じゃじゃ馬のALTECなどと組み合わせると、高バランス。

 

 

幅 約43㎝ 奥行 約24㎝  高さ 約24㎝  約15kg

実行出力 7.5W。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SOPIATECNO 300Bは 現代的な音ですが、輪郭(エッジ)の鋭さを

強調するような音ではなく、ややディティールに曖昧さがあり、

ワイドレンジ感やサウンドクオリティー、音の整いとしては

AIR-TIGHT ATM-300Rが2~3ランクは上であるし、

冷静な視点で見ると、300Bシングルアンプの音質の総体としての

評価もATM-300Rが上であるとおもう。だが、思わず虜になり魅了される

音色の快さでは断然に SOPIATECNO 300Bで、WE142やWE143と

較べると力強さが足りないが、チャーミングなWEトーンの魅力では

確実にSOPIATECNO 300BがWEオリジナルアンプより上である。

現代アンプの洗練味も加味され、このアンプをALL WE球で運用すれば

もう古いWEのオリジナルアンプの呪縛から解き放たれてもいいのでは.....

と思えるほどの魅惑的な音質を持っている。WE124アンプを

AXIOM80のコンディションの良い個体で鳴らした時は

エーテルが空間を漂っているようなリキッドな霊的感覚を感じて

思わず驚愕した経験がある。SOPIATECNO 300Bには

WE124オリジナルアンプのもつsomething(なにか)が欠けているのだが、

聴けば思わず狂喜し、有頂天になってしまうほどの音の素晴らしさを持っている。

満足度はとても高い。日本の技術者もやるじゃないか!心の底から大きな感銘を受けた。

望んでも決して届かない、仮に大金があっても買えない。

WE86などは製造から既に90年近く経過している。市場に出ていても、

良い音で聴ける個体にはなかなかお目にかかれない。そんなWE300Bの本物の音が聴ける、

WEトーンを現代技術で完全再現したアンプと出会えたのは行幸である。

 

 

わたしも自分で実際に聴かなければ絶対に信じられなかったであろう。


このアンプは7.5Wという公称スペック以上にパワーが弱く、

低音が出ない、パワーがないのが欠点だが
同社にアンプを4台製作依頼された方に詳しくお伺いすると、

 

 

『低域に力が無いのは、プレート電圧がかなり低めなのもあると思います。
このアンプは負帰還アンプですが、280V位しかかかっていません。』

 

 

(球の素性を聴くのに最適と云われるSUN AUDIO SV-300BE で320V

AIR-TIGHT ATM-300Rは437Vも掛かっている)

 

 

『定説では350-400Vで最もWEらしいと言われていますが、
ソピアテクノはそれよりも低い電圧で使用することで、
独特の音楽性を引き出していたのかも知れません。
LS8PPはWEとジャーマンヴィンテージサウンドの中間のような感じでした。
柔らかで渋めの音色が、何とも言えない味を出していました。
後は、回路的に、アースの取り方が特殊らしいです。
無線機に使われるアースの取り方らしく、
通常ならば残留ノイズやハムが乗って使い物にならないらしいのですが、
このアンプは良く抑えられていると…
修理を担当したメーカーさんが不思議がっていました』

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらは頂き物の画像です。

 

 

SOPIATECNO Profact製 LS8PP 巨大モノーラルパワーアンプ。

こちらはオーナーご自身でオーダーされ、100万円以上で

既に売却されたとのお話です。下の方は電源部別筐体のプリアンプの画像です。

 

 

 

 

因みに、LS8PPは 初段WE311B→DET9→LS8の組み合わせで、

トランスはWE線材でしたので、WEトーンも間違いなく有りました。

 

 

 

 

 

 

 

 

ソピアテクノの300 B シングルアンプの足をOYAIDE INS-BSに交換します。

デフォルトでも結構いいやつが付いてますが、メンテナンスに出した際に

サウンドパーツさんが付けてくれた底板とフットだそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

SOPIATECNO (Profact) 300Bシングルアンプの電源ケーブルの電源プラグを交換します。

低音を出す目的なら純銅無メッキのプラグ、ボーカルの艶を出すなら金メッキ、

今回も選択したP-004はユーザーに一番人気のプラチナ+パラジウムメッキで

ロジウムのような高性能感に音楽性が同居しています。一言で言って激変系です。

 

 

 

 

 

 

5分ほどで作業完了。しかし音質は激変したものの、やかましくてとても

聞いていられない音質になってしまったので元に戻しました。

 

 

 

 

 

 

PSVANE WE300Bも試しましたが、このアンプだとCETRONの方がマッチしていましたね。

 

 

 

 

 

 

 

 

2023/3/15追記

 

 

続いてFURUTECH FI-11M-N1(G) 電源プラグをソピアテクノの300Bシングルアンプに試します。

 

 

 

 

 

 

 

金メッキの電源プラグは艶があって女性ボーカルをメインで聴く人には推薦できます。 

 

 

 

 

 

 

結果は力強い表現力や低音の迫力や量感、制動力が著しく改善され大成功でした。

プラグを変えただけとは信じられない音質向上です。

電源関係のアクセサリーは音にもの凄く効きます。

 

半信半疑の方も多いですがお試しを。

 

 

 

 

このアンプは大変お気に入りで長く、多分一生?愛用していく素晴らしい製品だと思います。