"100余年の業"からの解放などと快哉を叫ぶのは、
ヘンコな価値観に凝り固まった、一部のオトナだけで良い。

仙台育英ナイン、関係者の皆さん。
改めまして初優勝、おめでとうございます。
そして、本当にありがとうございます。


7回1死満塁。カウントは3ボール1ストライクで、
打席には岩崎生弥くん。見逃せば押し出しフォアボールだった
インハイを叩いた強引な打球が、甲子園の夏空に高く舞い上がった。

少しずつ、少しずつ、浜風に押されて伸びる打球を見ている時間に、
涙が止まらなくなった。レフトフェンスを打球が越えた。
・・・あぁ、そのフェンスこそが、越えられなかった白河の関だったのか。
一瞬、涙を流しながらもバカなことを考えていた。

ベンチ前では、今か今かと待ち構えていた須江航監督が岩崎くん抱きしめる。
岩崎くんが、そこにたどり着くまでの苦労話は報道でしか知らない。
でも、そんな苦労を乗り越えてきてくれたキミのバットだったから、
これまでうんともすんともいわなかった扉を押し開けられたのかも知れない。

下関国際の最後の打者はサードゴロ。
落ち着いた正確な送球を、アタリマエのように送ってスリーアウト。
これすらスゴいことだと思う。

試合が終わった。
一生終わることはないのかも知れないと思いつつ、
自らに課して続けていた「白河の関越えチャレンジ参列」も、
2022年夏、無事に終えることができた。

・・・別にもう少し続いてくれても良かったんだけどな。
そんなバカなことを考えられるのも、アナタたちのお陰です。



・・・あ、それと。勝利投手となった庄内っ子の斎藤蓉くん。
2003年の星野タイガースと並ぶ、人生の宝物をくれてありがとう。

次回の帰省時には、手土産を持ってご実家の焼き鳥屋さんに伺いますからね。
イヤだといっても絶対に伺いますからね。

ちなみに我が母校である酒田南は、
やんごとなき事情により、秋季大会を辞退するそうです(トホホ)。