さようならを教えて | 科学

さようならを教えて

私は、目の前に黒いもやがかかったみたいな闇が漠然と広がっていても、後ろに花畑をのぞめるならば、進んでいけるのです。

誰かの特別になりたいのはずっとの願いです。誰かの記憶に痣になって残って生活の至る所で、あるいは死ぬ間際にわたしを思い出して欲しい。

悲しい人たちは、綺麗だなとなんとなく感じていたのです。悲しい人たち、精神を病んでいるひとたち、自己嫌悪と劣等感に苦しみ続ける人たちは、誰かの記憶に美しいものとして張り付いて離れない。

残念ながら心身共に健康な私は、悲しさとは無縁で、きたなく、小さく生きています。

昨日、綺麗な言葉を聞きました。知り合いが言われた言葉を、私におしえてくれたのです。

ずっと死ぬ理由を探してたけど、あなただった。


この言葉をもらったら、この言葉を理由に生きていける。
私も、いつか誰かからこんな風に思われて、綺麗な言葉をもらいたいと思いました。
思い出を糧にして、思い出の中で生きていけるのです。

私は、悲しくなれるのかしら。

photo:01