小さいもの 光るもの | 科学

小さいもの 光るもの

巖谷國士さんと桑原弘明さんの、 「窓からの眺め」 という展示にいってきました。

写真家の巖谷さんとスコープを使ったオブジェを作る桑原さんの合同での展示です。
私は、以前より桑原さんのスコープ作品に興味がありました。

桑原さんの作品を撮影した写真を初めて見たとき、美しい風景写真だなぁ…と思っていたところ、これが実は小さな箱の中に作られたミクロの庭園だと知り、嬉しくて堪らなくなったのです。
細かなつる草の彫刻された小箱の中、真鍮のスコープを覗くと、どこまでも広がるような緑や、光の漏れる扉が情緒を持って佇んでいるんですから。
しかし、それは実物を見ないことには本当の感動は得られないな とも思っていて、やっと機会があって、嬉々として恵比寿へ向かったのでした。

ギャラリーに入ると巖谷さんと撮影した、ヨーロッパの写真たちが1番に目に入りました。なんとなく、スコープを意識した感じの写真で、遠くの光を熱望させるような構図のものが多いように思われました。それが、連続することによっていくつもいくつも未知が広がるような嬉しさが有りました。

そして念願のスコープです。覗くと、午前中の透明な光のなかに、鮮やかな緑が、水面が広がっていました。私は、本当に心の底からここへ行けたら と思ったのでした。アリスが、小さな扉から庭園を覗いた時もこんな気持ちだったのかしら。

うっとりで、ずいぶん長い間見てしまいました。
桑原さんの、鉱物と天球儀のオブジェも華奢で、触れてはいけない綺麗さを持っていて素敵でした。

今夜は良い夢が見られそうです。お休みなさい。