（生きていても仕方ない。もう死んでしまおう。）
明日からどうやって生きていこうかと考えていた20歳のころ
ふらっと吸い込まれるように
崖の手前にあるガードレールに向かってアクセルを踏み込んだことがある。
（このまま車で突っ込んでしまったら死ねる。）
そう考えながらまっすぐ車を走らせていた。
ガードレールまでほんの数秒なのに、やけに時間がゆっくり進む。
もうすぐぶつかる．．．目をつぶろうとしたそのとき
鋭くはっきりした声で
「あなたが今死んでしまったら猫ちゃんはどうなるの！」と聞こえた。
（え・・・？猫ちゃん。。そういえばわたしが死んだら一人になってしまう。
・・・だめだ。まだ死ねない。）
はっと我に返りハンドルを切りながらブレーキをかけてカーブを曲がりきる。
あれから16年。
今でも私は生きている。
色んな思い出がある16年。
あのとき死ななくて良かったと心から思う。
生きていたら、死ぬほどつらい事いろいろありますよね。
だけど、生きていたら可能性は無限にあるのです。
もう少しだけ、生きてみませんか？
妖知人
