先日ちょっとしたドラマを見てたら、
こんなシーンがあった。

交通事故で身体が不自由になってしまった母。
シングルで在宅介護をしてる娘。
用事があると母はベッドから
ナースコールのようなブザーを鳴らす。
何度も何度も。

「ねえ、お母さん

ヘルパーさんを頼んでもいいかしら?

私、仕事に行きたいのよ」

「イヤだよ 
他人に触られるのわ。

金なら他で何とかなるだろ?」

娘はふうと溜め息をつく。

友人と電話をしている最中にもブザーが鳴る。
「ちょっと!背中をさすっておくれ、痛くって!」
ゴメンねと電話を切って
娘は母のベッドへ向かう。

そして真夜中に
娘は
暗闇で
声を殺して泣いている

「もう、息が詰まりそう!」

この閉塞感が介護殺人の引き金をひくのだ。

私は、ああ私と同じだ、と思った。
そして、こんなドラマになるくらいだからきっと日本中に
同じ思いをしてる人が何人も何人もいるんだろうなぁと想像した。

こんなコトを書くと、
自力で意志表示が難しい家族を介護されてる方からは
「甘いんだよ!」と叱られそうだけど。

ジョン・レノンに「Oh! YOKO」って曲がある。

In the middle of the night

In the middle of the night I call your name

Oh Yoko

Oh Yoko

My love will turn you on

(真夜中に)
(真夜中に君の名前を呼ぶ)

(ねえヨーコ ねえヨーコ)
(僕の愛で君のスイッチをONにしよう)

他愛ないラブソングだけど
在宅介護者にとっては
呪いの唄
恐怖の旋律だ

何度も何度も何度も呼ばれて
答えても答えても
終わることのない拷問

In the middle of the bath(お風呂の中で)
In the middle of a shave(ひげ剃り中も)
In the middle of a dream(夢見る時も)
In the middle of a cloud(落ち込んで心が暗い時も)
I call your name(君を呼ぶ)

・・・Oh ! terrible !