四方は壁に閉ざされている
おまけに暗闇
出口はどこにもない

手探りでスキマを見つけても
月明りさえ入ってこない

何のために歩いてきたのか
こんな所に来るためだったのか
悔やんでも遅かった

あきらめて
しゃがみこんで
もう終わりだと観念してた
涙も出やしなかった

そんな時

足元に
種を感じたんだ

「あなたはまだ終わりじゃない」

それは本当に小さな種で
あまりにも小さくて気付かなかったけど
確かにそこにあった

凹んだままの自分は嫌だ
朽ちて行くのは耐えられない
それが私の誇り!

勇気の炎がともった

立ち上がることさえ息苦しい
凍てつく壁の中
見てろよ
きっと越えてやると拳をにぎる

赤い種を胸に
虎視眈々と春を狙う