これは,2007年の秋である。

もう半ば半分以上冬の存在が
入り込んでいる秋の日である。


友人と久しぶりに港区の端から
渋谷区の中央までコーヒー散策
もとい、くちゃらくちゃら散歩
を、した時に目の端に見つけた
いわゆる都会の秋である。


都会の秋といえども、独特に
作為的ではあるが慎ましやかに
あちこちに散らばりキチンと
秋を橤(はな)っている。


やはり秋の色は心がわくわく
するのである。



秋といえばなんであろう。


人それぞれに差異は出るので
あろうが・・・・やはり
少し冷えた空気の中に漂う
焚き火の臭いであろう。


そして,落ちて風に吹かれる
落ち葉たちの起てるカラカサ
カラカサという音である。


何となくこちらもフワフワと
歩いてしまうのである。








昔の秋の話になるが・・・


小学校の頃のことであるが
やはり夕方いっせいに漂う
魚の焼かれる匂いも秋である。


そして,その時代にはあの
カボチャのお化けは、全然
なかったのである。
あっても,ケーキ屋だけで
あった。
あれは、こわいのである。

こわいといえば・・・・・
これも,小学校の頃の話で
あるが、同級生の男子に
でっかい黒斑のめがね君が
いたのだが、彼がこの時期
学校に山ほど柘榴を抱えて
くるのである。


その真っ赤っかの異物を
食べれると分かっていても,
ぱかっと毎回2つに裂いて
見せるめがね君も凄いが
そのつぶつぶの透き通った
薄い赤い実がこわかった。

ギリシャの短い秋に柘榴が
一斉に朝市に並ぶのだが、
あの積まれた柘榴の美しさと
何ともいえない美味しさは
季節の味わいなのである。

が・・・めがね君の柘榴は
こわかったのである。
柘榴は、柘榴で同じなので
あるが・・・違うのである。


また今年もめがね君の裏庭に
柘榴はしこたま成っている
のであろう。


もうさすがに抱えてどこかに
持っていって「ほら~」で
ぱかっと実を裂いてはいない
だろうな。




それぞれにいと優爽なりし
秋の始日を持されますことを
深心に願いながら・・・・













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