遺跡の中にたつと自分の廻りを流れていた時間が消え失せ
只々どこまでも深い深い沈黙のみが漂い始める。



そこがなによりも自分を取り戻せる場所なのである。



そこから来て、そこに戻る。そういう場所なのである。


今度戻れるとすれば,もう2度とそこからは出ないとしよう。


何千年という時間を感じ取ることなど出来はしないが
確かにそこに生きた人々の息吹きは,生々しいほどに
残されている。それが見えない現実のようにである。


その中に確かにかつての自分のすべてを見つけては
1枚の銀塩に刻み込む。刻んでも刻んでも満たされない
奇妙な力さえ感じながらである。



遠い昔の故郷ではない。戻る場所なのである。























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