愛着のある物たちの存在がある。


こんな物が、なぜ手放せないのであろうか?

そう思う物がたくさんある。
手放すという事は、もはや
考えてもいない。

反対に失うと非常に
困る・戸惑う・泣くのである。

日々が撹乱され、チラチラと
焦点が外れゆき、結果
銷沈、どっぷりと沈んでしまうのである。


ほんとうに愛しき物たちなのである。


人それぞれに個々にたっぷりと
色んな思いをすって物たちは
活きているのであろう。













中学生の時からずっと
来ているトレーナ___



もう袖口も首廻りにもちょこっと背中にも
穴があいて空気の入れ替えがよろしいのである。
が、旅には必ず持っていくのである。
別段なんてことないグレーのトレーナーである。
気がつくといつも荷物のなかにあるのである。
もとい、大事にしている一枚である。



フイルムのベロだし___


撮影済みのフイルムの端を出す
小さなプラスチック製のものである。
初めて現像の仕事で貰った給料で
買い求めた物である。
これも別段、デザインが凄いとか
何もないあっさりとした現像用品である。

黒いベロの部分が、かなり薄くなって
来たので昨年、もうひとつ新しいのを
買ったのであるが、やはり無意識に
使っているのである。




虫眼鏡ちゃん____


強風と大雨で帰路を断たれた
ギリシャの島の骨董屋で
友人たちとウサウサガンヤガンヤ
していた時、奥の棚で一目惚れして
買い求めたものである。

花の画を描く時に使うのであるが
ずっと使っていた虫眼鏡が
でかくて重いので色々と
探していたのである。

おお~見っけ**

で、速攻迷う事なく
Diko mou/デイコーヌー(自分の物)
にした虫眼鏡ちゃんである。
旅の絶対出需品のひとつである。




シチリアワインの瓶___


パレルモのいつもの部屋で朝から
制作をしている時、リンゴとワインは
なくては困る物であった。

切れると心がわさわさとしてしまうのである。
だが、アル中ではない。と言いたい。
だが、ワインの緑の瓶ばかりが部屋の隅っこに
並んでゆくのが、ジャングル活性化みたいで
ささやかに気になっていた時、見つけたのである。
透明に少し水色の入ったBianco Vino.の瓶。

味より瓶で買い求めた物であるが
美味いのである。以後、部屋の
ジャングル活性化は無事終わり、透明な
澄んだ空気をこの瓶は大いに漂わせて
くれたのである。
あるだけの瓶をアテネに持って帰る事は
出来なかったので、その都度1本また1本と
持ち帰ったのである。
もちろん、中身はしっかりと飲んだ後である。
今も荷物のなかで、待機中である。




27円のエスプレッソカップ___


シチリア・パレルモにひと月毎に通う事に
なった際に、早速に近所のスーパーで買い求めた
エスプレッソカップ。

白にゴールドの線が1本さわっと
入っているシンプルなカップである。
リラから換算すると約27円。

これがこれが、未だに制作の時は
暗室時・画制時、なくてはならない
器なのである。
ちょこんと傍に居てくれないと
何とも落ち着かない一品なのである。





書き出すとまことにきりがない
「 a thing 」愛すべき物たちのこと。



今のところ、増えず減らずに居てくれている。
油屋の日々の支えとなってくれているのである。




暮れの大サービス大掃除稼業にむけて
今一度、心新たに愛しき物たちの事を
感謝を込めて・・・・一礼なのである。





















** 追 **
皆様の愛しき物たちのこと。
ちょこっと聴かせてやってください。
語ってやってください。
世界でひとつとなき
それぞれの日々の部分のこと。

物は物にあらず。
なのかもしれませんね。






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