朗読恋・観劇御礼 | 人生万事さいおーがうま

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涙の後には虹も出る。
声優・加藤将之が徒然なるままに書き散らかしているブログです。
お暇な時にでもどうぞ。

その日のうちに書こうと思いつつ疲労に抗えず今に至ります。

おかしいな、後半2本は比較的楽できたはずなんだけどな。

 

ピッコロ大魔王の気持ちが今ならよくわかる。

 

分かっていたさ、それが分かっているつもりだったということも!

 

 

「StoryTeller 朗読・恋」。

お越し下さいました皆様、配信で観て下さいました皆様、本当に有難うございました。

 

「三大怨霊」という圧倒的な陰の世界から再び、陽のあたる世界へ。

今回は平川大輔さん、佐藤拓也君、井上宝君とご一緒させて頂きました。

宝君とは前回の「ギフト」に続いて、拓ちゃんとはこどもの日イベント以来、そして平川さんとは昨年の「羊達の標本」以来ということでしたが、いずれも素敵な方ばかり。

今回も良い財産になったなぁというのが正直な気持ちです。

 

拓ちゃんの切れのあるお芝居、愚直に挑む宝君の姿勢、そして平川さんの真摯な姿。

ともすれば経験が慣れに変わり、良くも悪くも型になっていた自分の芝居を、もう一度見つめ直すきっかけになったなぁと。

3人にはひたすらに感謝です。

 

 

【恋するライオン】

モンハンならサポガン大好きな自分としては勘吉は本当に楽しかった。キャスティングしてくれた人に五体投地。

稽古初日に稽古場で本を頂き、本読み正味10分で作ったキャラ。

ファーストインプレッションがベストインプレッションという言葉の深さを噛み締めております。

朗読怪談では開幕第一声を担うことが多いのですが、今回はいつにも増してハイテンションだったので緊張度も比例しましたね(笑)

あの十数秒でどこまで聴手を引っ張り込めるかが勝負だったので、初っ端からアクセルベタ踏みでした。

 

平川さんが話されていた役作りの件は、基礎にして真。

聴きながら「生きる教科書や」と感嘆しておりました。ホント、生徒さんたちに伝えるべき姿(早速今日の授業で話してきた)。

 

余談ですがマチネでやったサンシャイン勘吉。

本番では速攻ジャスティスされましたが、ゲネでは最後まで拓ちゃんが待っててくれました(笑)

 

 

【ミモザ】

語り、モノローグなしの会話劇ということでメチャ緊張しましたがその分楽しかったです。

キャストをシャッフルしたら色がガラっと変わるんだろうなと。

 

啓介は「一番恋愛に縁のなさそうな人」というイメージからスタートしました。

ビジュアル的には「俺物語」の剛田猛男みたいな。

 

お客様の感想で、「蓮が好きだったのは誰なのか?」という話題が上がっていましたが、どちらの解釈も面白い。

ちなみに僕の解釈は・・・おっと誰か来たようだ。

ヒントは啓介のとある台詞です。

タイトル通りの素敵なお話だったなぁと。

 

 

【いつかきっと貴方と】

拓ちゃん演じる平田健吾が好い!それに尽きました。

もう稽古第一声から。

生きてる。

台詞を聴いてるだけで、その家の作りや間取りがパーっと頭に入ってきて。

ああいう感覚ってほんとワクワクするんですよね。

動きがなくても動きを感じさせる台詞回しってすげえなと。

自分の叔父さんをイメージしようと思ってたので、めちゃめちゃ助かりました。

 

宝君は本来年下なのに兄役ということでかなり苦労してましたが、彼の落ち着いたトーンは普通に兄貴だなと。

最終的に、良い兄弟だな~と思って聴いてたのでそこらへんは流石でしたね。

決して器用ではないのですが、そのぶん丁寧に積み上げる作業と手間を惜しまない子。

引き出しの数も入れる材料もまだまだ増やしていかないとだけど、いつか大きな花を咲かせて欲しいですな^^。

 

ちなみに横沢二郎は絶対年齢より若く見られるイケオジに違いない。

 

 

【花の夢】

今回一番、皆がそれぞれ悩んで苦労して取り組んだお話。

稽古も一番時間費やしました。

 

それくらい背景にあるものが重い。

テーマは恋なのですが、一時期みんなそれを忘れて、「死」というものをどう受け止めようかとなった程に重い。

怪談とかサイコとか「死」が特別ではなくなる題材ならともかく、ハートフルな物語。

その中ではこうも際立ってしまうのだなと痛感しました。

 

トークコーナーで話したように、黒田という医師をどう持っていくか。どうあの言葉を紡げばいいのか。

本当に悩みました。

リアルに沿えばもっと突き放してもいいのかも知れない。

気休めの励ましや、安易に奇跡を期待させるような話はできない。

「余命宣告は目安であって絶対じゃない」という言葉の残酷さに、予想以上に自分が前向きになれないことに苛立ちましたし、でも話の本筋を考えたらそこはもっと割り切るべきだし・・・とぐるぐると。

 

自分ですらこうだったのですから、他の3人の苦労たるや。

特に見送る側の玲二、巻き込まれる形で関わることになった憲秋は最後の最後までもがいてました。

 

自分の出番が早々に終わったので舞台上にあったモニターを観ておりましたが、お客さんの反応も同時に見ることができまして。

大勢の方がハンカチを顔に当ててる姿に、みんなの苦労が報われたのかなと、嬉しくなりました。

 

最後の紘一のモノローグは時間の関係上カットされてる部分がありました。

すごく好きな部分で、カットされたのが残念至極。そこがあったらまた違う色がお届けできるのではと。

個人的にはディレクターズカット版として、CDで復活してくれないかなと思っております。

 

 

第1回とあったので2回目もあるんですかね?

個人的には、陽向とミカンちゃんの恋の続きが気になります(意訳・勘吉やりたい)。

そして僕以外の陰の者たちがかなり光を欲しているので彼らが参戦できるといいですね(笑)

 

こういう状況下でも人前で演じることができる嬉しさと有り難さを切に感じます。

足を運んでくださった方はもちろん、配信をご覧になった方、叶わずとも気を送ってくれた方も、みなさんの存在あっての我々です。

本当に、本当に有り難うございます。

 

コロナも少しずつではありますが状況が良くなってきているように感じられます。

油断せず、慌てず、焦らず、みんなで乗り切っていきましょう!

また落ち着きが戻ってきた時には、皆様が心おきなく楽しんでいただける時間と場所を提供できるよう、精進してまいります。

 

それでは~。