色々な人に、「さよなら」を告げていく・・・。
2年前にホームステイに言ったツァッゲの家にさよならの挨拶に言ってきた。
彼らはいつも温かく自分を迎え入れてくれた。
いつも多量のビールで自分を迎え入れてくれた。
(いつもビールの量が半端ないので、行く時に若干、億劫になったりもするのだが(笑))
田舎の温かい家族だ。
この家族の前でいる時が一番、素の自分でいられるような気がする。
この大好きなホームステイ先にさよならを告げに行ってきた。
門を入るなり、子どもたちが跳びはねながら、抱きついてきた。そして、ブチューっとキスをしてきた。
「めちゃ かわいいぃぃぃ。」
つぎ会うときは大人になっているのかな?なんて考えながら抱きしめ返した。
そして、相変わらずの酒の攻撃&ブラブラ攻撃(食べろ食べろ攻撃)
それすらも愛おしく感じた。
子どもたちと遊び、一通り色々な話をした後、日本に帰る事を告げ、彼らの連絡先を聞いた。
すると、
「次はいつくるの?」
「待ってるよ・・・。」
など、色々な言葉をかけてくれる。
うれしいのだが、何か胸がキュンとする。
日本に帰れば、日本の生活が待っている。
彼らは今まで通り同じ生活をする。
もしかしたら、もう会う事がないかもしれない。
同じ時代に生きているのに、別々の空間で生きる。
まるで、別世界で生きているような気持ちになる。
これからインターネットがもっと×2発達し、アフリカの人達にも身近なものになったら、どんな気持ちでエチオピアを離れるのだろうと考えた。
そして、
ツァッゲの家をあとにした。
「さよなら。」
どのように自分の気持ちを書いたらいいかわからないが、胸がキュンっとなる。
チクリチクリする。
彼ら家族に末長い幸せをと願う。
ありがとう、ツァゲ一家のみんな。
そして、今日は、同僚と朝の6時からサッカーをし、9時からプチ日帰り旅行(観光&プール)に行って来た。
やっぱり、胸がキュンキュンする。
とにかく、いつもと変わらないアホな話をしたり、真面目な話をしたり、のんびりと同じ時を過ごした。
「最後の2週間で、エチオピアの彼女をみつけよう!!」
なんて言われて、無理やりバスの中で、隣に座った女性に話しかけさせられたり、
みっちり4時間、水泳を教えてあげたり、
ビールを飲みながら、恋について、今後の仕事の事について等話した。
彼らとは、
何時間もスポーツ談義をしたり、
サッカー談議をしたり、
将来について話をしたり、
恋について話をしたり、
夢を語ったり、
ビールを浴びるほど一緒に飲んだり、
色々な事をした、話しあった、語り合った。
また、昨年度はサッカー部を作り、ともに優勝を目指して、力を合わせあった。
色々なことがあったからこそ信頼し合える仲間・同僚・友達になれた。
今年度、体育教員のストライキ事件やサブシティとの大ケンカを機に、彼らと大ケンカをした事も今となれば、お互いを知る大切な時間だったと思える。
そして、大ケンカをしたのにもかかわらず、こうして一緒に再び同じ時間を過ごせている。
信頼し合える仲間だ。
あと少ししかないが、素敵な時間を共に過ごしたい。
体育セミナーを共に開催した仲間とも最後の食事に行ってきた。
今年度は色々新しい事にチャレンジした。
自分の思いを汲んで、更に、色々とがんばってくれた仲間たち、色々と受け入れてくれた仲間たちだ。
共にがんばった仲間だからこそ、会うとすごくうれしいし、すごく安心する。
楽しかった思い出、大変だった思い出、色々な思い出がある分、彼らとの時間は感慨深いものになる。
会うだけでうれしくなる。
会うだけで感謝の気持ちがあふれてくる。
「ありがとう」
彼らにも「さよなら」を告げないといけない。
胸がチクリする。
そして、一人ひとりと別れの挨拶をした後、ワンダレが、ギュっと抱きしめてくれた。
言葉で100%の思いを伝えるのは自分たちにはやはり難しいが、こうして体で表現してくれると、すごく伝わってくる。
すごくうれしかった。
「ありがとう、ワンダレ、イサク、フツム、アルマズ。」
学校に行けば、
生徒たちがいつも以上に、声をかけれくれる。
学校に近づけば、
「しげき、おはよう、しげき、しげき・・・・」と色々なところから声をかけてくれる。
アイドルにでもなったかのようだ。
うれしいんだけど、やっぱり胸がキュンキュンする。
いつもは、挨拶があれば、目を合わせて、ゆっくりと挨拶を交わすのだが、
何か、子どもたちと目を合わせにくい。
目を合わせると、胸がキュンキュンするからだろう。
子どもたちとの間に距離を取ろうとしているのかと思えた。
日本にいた時には、卒業生全員に自分の連絡先を教えていた。
「一生のお付き合い。」
これが、卒業生に送る最後の自分の授業のテーマだった。
エチオピアでも、そうしたい。
彼らとのいつまでも素敵な関係でいたい。
でも、さびしいためか、生徒と 『距離』 を取ろうとしている自分がいたりする。
うーん。
心が右と左に分裂していく感じがする。
いやぁ、
やっぱ、さびしいのかなぁ・・・。
とにかく、残り9日間を、エチオピアで出会った人たちとの末長いお付き合いをするために、できる事をしようと思う。
あと9日・・・。
すごくうれしかった事、すごく悲しかった事。新たな想いの芽生え。
クラスマッチが終盤を迎えるにつれて、白熱する子どもたち。
白熱するにつれて、残念なことが続いた。
負けたチームとまったく関係ないクラスが、試合が終わって、教室に帰った後、大ケンカを起こした。最終的にはクラス同士の喧嘩にまで発展してしまった。
子どもたちは血を流し、最終的には警察がやって来た。
自分はグランドにいたのだが、子どもたちの叫び声に、まさかと思い、子どもたちの方へと向かった。
色々な所でもめごとが起きていた。
その中の1人の男子生徒が血を流しながら大きな石を持ち暴れていた。
とにかく必死に彼を抑え、暴れるのを止め、職員室の方へ連れて行った。
その後、大勢の先生軍団があらわれ、自体はおさまった。
どうしてケンカが起こったのか理由を聞いたが、まったく関係ないクラスとのケンカだったので、だれもわからないと答える。
とにかく、とても悲しかった。
他にもこんなことがあった。
サッカー部員の1人が、試合に負けた直後、
「不公平だ」と言ってきた。
彼のクラスは、ロスタイムで点を取られ試合に負けた。
不公平だと言った彼に対する怒りと、そう言われる自分がとても情けなかった。
そして、彼の目の前まで突き進み、睨みつけてしまった。
すると彼は、おびえながら「ごめんなさい。」と言ってきた。
おびえる彼の姿を見た自分は何のためにこの大会を開いたのだろうとさらに悲しくなった。
こんな子ども姿を見たいがために大会を開いたのではない。
子どもたちの不満を募らすために開いたのではない。
すごく悲しかった。
そんな帰り道、とぼとぼ夕日を背に家路へと向かっている最中に、1人の男子生徒が、
「I want to talk with you!! (話したい事があるんだけど)」
と言ってきた。
彼は自分の生徒ではない。
がしかし、よくサッカー部の練習を見に来たり、クラスマッチを見に来たりするので、顔は覚えている。
「どうしたの?」
と聞き返すと、
「言いたいことがあるんだ。」
と再び言う。
彼は前回の試合で負けており、試合後すごく悔しそうにしていた。
試合の後の大ケンカや子どものイライラしている姿を見た直後だったので、また彼も何か言ってくるのではないかかと思い、耳を傾けているフリをして返事をした。
すると、
「I appreciate you very much. (感謝している。)」
と言ってくれた。
彼の話は、この言葉から始まった。そして、
「アヤルテナには多くの先生がいる。
そして、今まで日本や韓国、イギリスなど色々な人が来てくれた。
でも、クラスマッチをしたり、サッカー部を作ったり、インターナショナルクラブを作ったり、ここまで色々と生徒のためにしてくれた先生はいない。
誰一人としていない。誰一人としていない。
しげきだけだ。ありがとう。心から感謝しています。」
と言ってくれた。
誰かに自分のがんばりを認めてほしいからこのクラスマッチを始めたんではない。
感謝されたいから始めたわけでもない。
ただ単に、子どもたちにスポーツの機会を与えたいと思ったから。
スポーツから、大会から色んな事を学んでもらえればと思ったから。
子どもたちと一緒に同じ時間を過ごしたかったから。
試合が生み出すドラマを一緒に楽しみたかったから。
ただそれだけだった。
でも、
こうして、温かい一言をかけてもらえてすごくうれしかった。
また、その帰り道、他の生徒から、
「しげきの連絡先を教えてほしい。」
と言われた。
あと2週間後に自分は日本に向けて出発する。
きっと、日本に帰れば、この2年間が夢だったと思うんだろうな、なんて考えていた。
でも、こうして、子どもたちから温かい言葉をもらったり、日本に帰ってからもつながろうとしてくれる子どもたちを見て、この2年間をエチオピアの2年間として区切るのではなく、これからも自分と子どもたちの関係は続く、いや、続けたいと思えた。
彼らとも一生の付き合いをしたいと思えた。
帰国間近にして、なにかもう一皮むけたような、新たな想いが芽生えたような気がした。
残り2週間、日本に帰ってからも、エチオピアの生徒たちと素敵な関係を続けることができるように、残りの時間を大切に過ごしていきたいと思う。
ありがとう、生徒のみんな。
大好きです。
すてきな時間(母子施設)
昨年から通っている母子施設に、他の隊員がやってきた。
しかも、スペシャルなプレゼントを持って。
1年前、本当に必要な人達にボランティアをしたいと思い、動き回り見つけた母子施設。
やっと見つけ出した母子施設に通うも、何もできず、無力さを感じる日々を過ごした。
ただ一緒に子どもたちと遊ぶ日々を過ごした。
いつしか子どもたちと一緒に遊ぶことに安らぎを感じ、温かく迎えてくれる施設の人や母親たちに居心地の良さを感じ、ボランティアとしてではなく、共に生活する家族のように過ごすようになっていった。
こうして同じ時間を過ごし、
『いつの日か、チカラになれる日が来たらいいなぁ。』
『いつの日か、他の隊員も呼んで、何かできたらいいなぁ。』
そんな事を願い、総会では自分の活動以外でのボランティア活動を紹介したりしていた。
帰国直前になって、何気に思っていたことが不意に現実となった。
幼児教育隊員&服飾隊員が素敵なプレゼント(提案)を引き連れてやってきてくれた。
まずは、服飾隊員から↓
この施設は、海外からの支援と母親が作る『本のしおり』の売り上げで生計を立てている。
がしかし、このしおりのクオリティは低く、普通には売れない。
だから、付加価値として、
『旦那がいない10代の母親が作ったしおり』、
『強姦に合い、それでもがんばっている母親が作ったしおり』
等をうたい文句に売っている。
こういった状況を少しでもよりよくしよう、売れるものを作ろう、と言う事で、服飾の隊員が色々な案を持ってきてくれた。
彼女の案が、これからこの母子施設にどういった影響を及ぼしていくのかすごく楽しみだ。
次に、幼児教育隊員だが、この子どもたちの様子。
さすが教育のプロ。
すぐに子どもを引き付ける。
すっごいよ。
え、自分はと言うと、見てるだけ…。
自分のこの1年間の母子施設の活動を振り返ってみた。
自分は、子どもたちと遊びまわった1年間だった。
ただそれだけ。
自分は何もできなかったが、こうして人の輪が広がっていくのって素敵だなと思った。
しかも、今回は、服飾のプロと幼児教育のプロが現場に来てくれた。
母子施設が一番必要としている職種の人達だ。
きっとこれから素敵な事が生まれていくはず。
もう1回、彼らと一緒にこの母子施設に来たいなぁ…。
プロから色んな事を学びたいぜぇ。
幼児教育・服飾の隊員のみなさん、ありがとうございました。