【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳 -6ページ目

源氏物語イラスト訳【紅葉賀175】かかる折

「かかる折に、すこし脅しきこえて、御心まどはして、懲りぬやと言はむ」と思ひて、たゆめきこゆ。

 

【これまでのあらすじ】

桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが、源氏姓を賜り、臣下に降ります。亡き母の面影を追い求め、恋に渇望した光源氏は、父帝の妃である藤壺宮と不義密通に及び、懐妊させてしまいます。

光源氏18歳冬。藤壺宮は、光源氏との不義密通の御子を出産しました。源氏は宮中の女官に手を出すこともなかったのですが、年増の源典侍(げんのないしのすけ)には少し興味を持って、ちょっかいを出しています。

 

 

源氏物語イラスト訳 

 

 

かかるに、すこし脅しきこえて、

訳)このような機会に、少し脅かし申し上げて、

 

 

まどはして、懲り言は」と思ひ

訳)心を惑わして、これに懲り言ってろう」と思っ

 

 

たゆめきこゆ

訳)油断させ申し上げる

 

 

 

【古文】

かかるに、すこし脅しきこえて、まどはして、懲り言は」と思ひたゆめきこゆ

 

【訳】

このような機会に、少し脅かし申し上げて、心を惑わして、これに懲り言ってろう」と思っ油断させ申し上げる

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【かかる】…このような

■【折(をり)】…機会。時

■【に】…時の格助詞

■【脅(おど)す】…こわがらせる。脅かす

■【きこえ】…ヤ行下二段動詞「きこゆ」連用形

※【きこゆ】…謙譲の補助動詞(頭中将⇒光源氏)

■【て】…単純接続の接続助詞

■【御―】…尊敬の接頭語(頭中将⇒光源氏)

■【まどはす】…乱れさせる。迷わせる。悩ませる。動揺させる

■【て】…単純接続の接続助詞

■【懲(こ)り】…ラ行上二段動詞「懲る」連用形

※【懲(こ)る】…懲りる

■【ぬ】…完了の助動詞「ぬ」終止形

■【や】…疑問の係助詞(文末用法)

■【と】…引用の格助詞

■【言は】…ハ行四段動詞「いふ」未然形

■【む】…意志の助動詞「む」終止形

■【と】…引用の格助詞

■【たゆめ】…マ行下二段動詞「弛む」連用形

※【たゆむ】…気をゆるめさせる。油断させる

■【きこゆ】…謙譲の補助動詞(作者⇒光源氏)

 

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◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

源氏物語のなかには、

今回のようなライバル関係が、たくさん出てきます。

 

光源氏 VS 頭中将

夕霧 VS 柏木

VS 匂宮

 

 

これは、まさにドラゴンボールの、

 

孫悟空(幼) VS クリリン

孫悟空(大人) VS ベジータ

孫悟飯 VS トランクス

                           (タイムスリップしてきた)

孫悟天 VS トランクス

 

という設定と、非常に似通っている気がします。

 

 

頭中将は、光源氏のライバル関係です。

左大臣の息子であり、サラブレッドなのに、

いつも源氏と引き比べられて…

 

頭中将は、陽キャラで、軽薄なプレイボーイなんですけど、そのことを光源氏から、事あるごとにたしなめられたりして…、

 

 

何か光源氏に欠点が見えたら、

揚げ足をとってやろう

と、常に思っていたようですね。

 

 

「たゆむ」というのは、「弛む」と書きます。

源氏に、自分が虎視眈々とねらっていることを悟られてはいけないと思い、何も気づかないふりをしている頭中将のようすが、この形容詞によくあらわれていますねー!

 

 

 

 

 

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