ボクのおじいちゃんの口ぐせは、「これでびんごも一つ賢くなったのう。これも大切な授業料だよ。」でした。
ケガをしても、物を壊しても、忘れ物をしてもこうでした。「失敗した」という考えはなく、「なんでも勉強、これも大事な授業料」なのです。
「失敗を恐れずにやりなさい」と言われるよるも、「何もしないのが一番の失敗だよ」と言われた方が、ヤル気になれるのではないでしょうか。
「失敗するくらいなら、やらないほうがまし」とか、「やっても、モノにならないなら、やるだけムダ」と後ろ向きの考えの人がいます。
あるいは、「まだ早すぎる」とチャンスを抑え、やがて「そのうちチャンスがきたら」と願い、ついには「もう遅すぎる」と嘆いて何もしなかった言い訳の人生に終わる人もいます。
人生では、次から次から新しい課題がやってきます。
「やってみたいな」と少しでも思ったときが、めったにないチャンスです。それを「まあ、そのうちに」と見送っているうちに、次の課題に直面しています。
物事はなんでも、やってみなければわからないものです。やってみてわかるものは、「やればできる」よりも「思うように簡単にはいかない」ではないでしょうか。
残念なことに、人間は、思うようにいかないとがっかりしてしまう心の弱い動物です。
しかし、そこからすぐに立ち直れる前向きな人と、立ち直りにくい後ろ向きな人に分かれます。
私はこんなとき、「これでびんごもひとつ賢くなったのう。これも大切な授業料。よくぞ払った、太っ腹」と、今でも、おじいちゃんのかわりに自分に言い聞かせています。
人間はいくつになっても心が弱いままで、期待してはがっかりの人生が続きます。
ボクはそれを乗り越えるため、がっかりするひまを与えず、次の事業料を払ってトライするようにしてきました。
だから、今は後悔よりも感謝のほうが強くあります。