自分で自分を教育しなさい | 絵本作家あきびんごと400ぴきのねこだらけ

絵本作家あきびんごと400ぴきのねこだらけ

読んだり、描いたり 飾ったり  ねこのブログであそぼうニャ!

ボクが6年生になる春休みに、母は「私があなたを教育するのは、あと1年間で終わりにする。1年後からは自分で自分を教育していきなさい。急に明日からと言われても困るだろうから、今言っておく」といい、ボクを慌てさせました。

 

そして1年後、ボクは親元を離れて遠くの男子校の寮に入ったのです。

 

寮の生活はまるで軍隊生活で、新入生は苦労の連続でした。

 

母は、帰宅したボクのざっくり割れた指を見て、「つらくはないかい?」と言いましたが、親の心はつらくても、子どもは「こういうものだ」と当たり前に受け入れる強さがあるので「別に」で終わりです。

 

自分で自分を教育すると、すべての責任はボクにあります。ボクは「自分が欲しいと思う、理想の親友」に育てることに決めました。

 

「よい友だちをもちなさい」と言いますが、そんなギブミー根性では甘く、「みんながあこがれる人になりなさい」というギブユー根性でないと、良い友だちは近づいてきません。

 

それから50年たち、私はボクの理想とする親友のままで、ほぼ予定通りの人生を歩んでいます。

 

母は死ぬ前に、「私が教育したら、おまえはここまでにはならなかっただろう。よくやってくれて、本当に親孝行だ。私ほど幸せ者はいない」と言いました。

 

母は、

「みんなわが子がかわいいと言うが、実施は、子供より自分がかわいいから、勇気をもって立派に育てようとはしない。みんなの言う大事とは、無難にかわいがることで、立派に育てることではない。

 

男は度胸、女は愛嬌というが、子育ては愛嬌ではできない。本当の愛情とは、愛嬌ではなく度胸や勇気だ。

 

みんなと同じように育てていながら、みんな以上のものを求めるから、うまくいくはずがない」

と言っていました。

 

  ことばのアトリエ目次→          TOPページ →