今回紹介するのは しおんの王
原作:かとりまさる 作画:安藤慈朗による漫画作品。『月刊アフタヌーン』にて2004年から連載。
単行本は全8巻が刊行。
2007年にはアニメ化もされた。
単行本には、作中に登場する勝負の棋譜も載っているなど、より楽しめる。
ストーリー
幼い頃に何者かに両親を殺害され、そのショックから事件での記憶と、言葉を失くしてしまった主人公の少女「安岡紫音」。
事件から8年後、棋士の安岡に引き取られた紫音は、才能を発揮し将棋の世界へと進み、多くの人物との出会いや対決を経験しながら、棋士への道を目指していく。
しかし、そこには事件に関するさまざまな人々の思惑と因縁とが交錯し、次第に紫音の記憶が蘇っていく。
絵について
さっぱりとした女の子の絵も綺麗だが、それとは対照的に濃い表情のオヤジの顔も描いたりされていて面白い。
基本的に場面となる場所は将棋の会場ばかりであるが、うまく周りも描かれていて見やすい。
主人公が声を出さないので、表情でいろいろ伝えるかと思ったが、そんなに不自然ではなく、割と普通に描かれていた!
文字について
文字数も、そんなに多い方ではなく、結構サラッと読むことができる。
もっとも、単行本の中の棋譜まで読もうとすると、結構な時間がかかるかもしれないが、将棋をあまり詳しくなくてもストーリーは分かるようにできているので、気楽に読めると思う。
個人的には、
ストーリー :★★★★☆
絵 :★★★★☆
読みやすさ :★★★★☆
ハマリ度 :★★★☆☆
スッキリ感 :★★★★★
総合 :★★★☆☆
こんな感じかな。
主人公が両親を殺される事件が、ずっとキーとなってくる話で、しかも主人公は声を失っているという設定であるが、暗くなりすぎることもなく、復讐などのドロドロした展開もなく、単行本8巻でサラっと終わるところが、好感の持てる、スッキリと読める漫画。