米国海兵隊の普天間飛行場の移設先が、決まらない。普天間飛行場を他の場所に移設し、普天間飛行場の土地を、地権者に返還する。このことは、1996年に、日米両政府(橋本政権とクリントン政権)が、合意したことである。そして、10年以上の歳月をかけて移設先を決める作業を進め、辺野古沖の現行案がまとめられたのである。
「県外に移設して、沖縄県民の負担を軽減させるべきだ」と、おっしゃる人がいる。国防の施設というのは、みんなに寄ってたかって、「早くどこか他の場所に行ってよ」と言われるような、『嫌われ者』なのか。
先に市街地が有り、後になって、その市街地中心部に米国海兵隊の飛行場を作り、多くの周辺住民に多大な負担をかけているので、移設することが決められたのである。もし、米国海兵隊の飛行場が、日本の領土内に存在すること自体が、日本国民にとって負担でしかないのなら、米国海兵隊は、日本から撤収してもらうべきである。
日本国民は、原油もウランも希少金属も小麦も大豆も、多くを輸入に頼りながら、それなりに豊かな生活を享受している。大陸の外国海軍の艦船の群れが、沖縄本島の近海を航行することがある、今はそんな時代である。日米安全保障条約は、どちらか一方の国が12か月前に事前通告することにより、破棄(解約)される。もし、日本国民が、日米安全保障条約の破棄を選択し、すべての米軍が撤退したら、そのときは、沖縄における自衛隊の施設を増強することになる可能性が高いと、思います。
「嫌なことは、沖縄県民だけに押し付けずに、みんなで負担を分かち合いましょう」、そういう優しさも、もちろん大切ですが、そういう優しさは心の内に秘めておいて、まずは国防について、深い議論をすべきではないでしょうか。