$マイケル・ジャクソンの思想(と私が解釈するもの)著者:安冨歩

『原発危機と「東大話法」』を、東大文学部(今は、大学院人文社会系研究科、と名が歪められた)の島薗進先生が、ツイッターで褒めてくださった!!これはとても嬉しい。島薗先生は宗教学の権威である。が、それ以上に、wikipedia に出ているように、ものすごい東大家系の方なのである。

父方の祖父<島薗順次郎>
1905年:東京帝国大学医科大学卒業。
1924年:東京大学医学部教授。
1933年:東京帝国大学医学部附属医院長に就任。

母方の祖父<田宮 猛雄>
1915年 東京帝國大学医科大学卒業
1927年 東京帝國大学伝染病研究所教授に就任。
1931年 同大学医学部教授となる。衛生学講座を担当。
1945年 医学部長に就任。
1948年 日本医学会会長に就任、亡くなるまで務める。

父<島薗安雄>
東京帝大卒。金沢大教授、東京医歯大教授、国立武蔵療養所所長、国立精神・神経センター初代総長

義理の叔父<坪井忠二>
東京帝国大学理学部物理学科に入学、寺田寅彦に師事する。1926年(大正15年)に卒業して東京大学地震研究所の助手となった。1929年(昭和4年)理学部助教授、1941年(昭和16年)教授。理学部長。

というわけで、本当に凄い東大一家である。ご本人も、東大入学時は理科三類、すなわち医学部であったので、そのまま進めば超ウルトラ・サラブレッドであるから、またもや東大医学部教授になられたのであろう。が、そういう自分に疑問を感じて、進学振り分けで文学部の宗教学に移られたと聞く。文学部では医学部コネクションは作動しないが、それでも見事に東大教授になられたのであるから、血統とは恐ろしいものである。

島薗先生のご経歴は、

1972年3月 東京大学文学部宗教学・宗教史学科卒業。
1974年3月 東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。
1974年4月 同大学大学院同研究科博士課程単位取得退学。
1987年4月 東京大学文学部宗教学・宗教史学科助教授に就任。
1994年1月 同大学同学部同学科教授に昇進。

というわけで当然ながら、純粋東大教授である。

島薗先生も私も、同じ東大教授といえばそうなのであるが、私のようなナンで東大教授をやっているのか、本人にもよくわからないような外様の無縁者(私の父方の祖父は沖仲仕だ)とは格が違う。その島薗先生が、この「東大話法」の本を、以下のように褒めてくださったのである。こうなれば百人力である。島薗先生の虎の威を借りて、

どこからでもかかって来い!!

という気分である。


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1東大東洋文化研究所の安富歩氏『原発危機と東大話法』(明石書店)刊行、奥付は1/15。原発事故で露呈した社会病理を著者が「立場主義」とよぶ態度から解き明かす。ビジョンが大きく魅力的。語りは平易だが奥は深い。「東大話法」とは個人の意志より「立場」を先行させる生き方の典型ということ。

2安富歩氏『原発危機と東大話法』出たて。副題が光る「傍観者の論理・欺瞞の言語」。著者は満州研究の経済学者。自らが置かれた「立場」から導き出される行動・発言をするが自分の意志は明かさない、かつ徹底的に責任を回避し自己の利益は守る態度を批判。原発が生む天下り機関は「立場」増殖の道具。

3安富歩氏『原発危機と東大話法』。なお原発は必要と強弁したり、放射線リスクで騒ぐ人は愚かという言説の背後に、責任をけして引き受けず他者を貶め自らを引き上げる「話法」がある。全体が動いていくためのある「立場」に自分はいると位置づけているので、他者に対する責任を負う構えがない、と。

4安富歩氏『原発危機と東大話法』。独自の経済学的世界観・自然観をもち、そこから原発問題を長く考えてきた著者が、日本社会史の分析を踏まえ「御用学者」が活躍する必然性を解明している。続編もあるそうなのであわせて読みたい。分析される病理は暗いが、学的信念によるビジョンに元気づけられる。