$マイケル・ジャクソンの思想(と私が解釈するもの)著者:安冨歩 明石書店のHPはこちら


有名なブロガーの池田信夫氏が拙著に対して反論してくださった。私が常に最も恐れるのは、反論や批判ではなく、無視である。それゆえ、反論してくださった池田氏に感謝したい。(ブログを無視なさらずに、その段階で反論してくださったら、もっとありがたかったのだが。。。)

しかし、なかなかこの反論の記事を見る勇気が持てなかった。というのも、私は東大話法に接すると、ダメージを受けるようになっているからである。池田氏が私の指摘を真剣に受け止めてくださらない限り、反論もまたほぼ確実に東大話法だと予想される。池田氏がそのような受け止め方をしてくださる可能性は、極めて低い。それゆえ、風邪を引いて体力が落ちていたので、なかなか見る気がしなかったのである。

しかも、本書の推薦文を書いてくださった大島堅一教授は、ご著書の『原発のコスト』(岩波書店)について池田氏の書かれた書評 について、

「池田信夫先生の書評を読みました。当方の社会的費用論、発電コスト論に関して、誤解されているようです。また、原子力損害賠償の基本を誤認しています。このような理解で意見を披露していることに驚きました。安冨歩先生の東大話法の本を読むと、池田先生の論法が理解できるようになると思います。」


というツイートを流しておられたので、ますますそうなったわけである。記事が出た直後にツイッターに私の悪口がドドっと出たのもウンザリであった。

しかしそうこうしている間に、池田氏の主催しておられるアゴラの寄稿者である、天下のソフトバンクの先の副将軍・松本徹三御老公が、

「池田、安富両先生共、私の良き友ですが、この議論については安富先生に軍配をあげます。反原発派の議論の多くが非科学的、扇動的で、私も苦々しく思っていますが、この議論は別。」

と、ツイッターで私に軍配を挙げて下さった。これで非常に精神的に救われた。

また、もんじゅくんからも、

「@anmintei のぶおせんせいの東大話法への反論はあんまりすごくなかったから、読んでもだいじょぶと思いますだよ。のぶおせんせいも不調なのかも。」

と励ましのツイートをいただいた。

それで体力も回復してきたので、読むことにした次第である。

しかし見てみたら、イキナリ、

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「お前の言い方が悪い」という日本人に特有の話は非生産的なので、論じてもしょうがない(これが放置した理由)。
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というパンチが飛んできた。予想通りである。「東大話法」は「言い方」ではなく、私の本は「言い方が悪い」という本ではないのだが。その上、私は本の一番最後に、

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もちろん、内容の誤りに対する厳しい批判は喜んでお受けしたいと思います。ただし、「東大話法」だけはご免被ります。
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とお願いしたのだが、このお願いはまったく聞いていただけなかったようである。。。(T_T)

(つづく)