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米エール大が考える新型インフルエンザ・ワクチン優先接種

「思ったよりも手ごわい相手だった。」


恐らく、そう感じているウィルスを研究している専門家も多いのではないだろうか!?


20日付米科学誌サイエンス(電子版)に興味深い記事が書かれていた。


その内容とは、新型インフルエンザに対するワクチン・プログラム。

つまり、いかにワクチンを効率的、かつ、効果的に使うかと言う事なのだが。

米エール大の研究チームは、過去に新型インフルエンザが流行した時のデータや、個人がどの年齢層と接種する機会が多いのかの調査結果を基に、どの年齢層に優先的にワクチンを接種すれば、効率的に感染拡大を防げるかを試算した。


その結果、新型インフルエンザの感染力が現状程度で、毒性も1957年のアジア風邪と同等、米国内で3700万回分以上のワクチンが供給されたと想定した場合は、5~19歳の子供と30~39歳の成人に優先的接種すると最も感染者や死者が少ないことがわかった。


ワクチンが4千万回分供給された場合、この方法でも4400万人が感染し、死者は10万8千人に上るが、生後6ヶ月~24歳を対象とする米疾病対策センター(CDC)諮問委員会の勧告の方法よりも感染者は1500万人、死者は3万1千人少なくなるという。


10代での抗ウィルス剤(タミフル等)に制限のある状況下では、確かに効果的な対策に個人的には思うのだが、昨日の記事にも書いたように、現在、ワクチン接種、初期段階でのトライアルデータが揃っていないのも見過ごせない事実である。


重症患者や死者を増やさない対策は確かに大切だが、同時に感染を拡大させない両輪の対策をやはり検討すべきなのだろうと思う。感染を広げやすい人に優先接種することで、結果的にほかの人をも守れるのではないか。そう思うからだ。

間違っても玉虫色で地域任せの押し付け責任逃れだけは止めてもらいたい。 しっかりした基準の中でワクチンの優先接種が行われことをただ、ただ祈るだけだ。



オーストラリアに学ぶ新型インフルエンザの対応


オーストラリア連邦政府は、今週オーストラリアの会社によって行われた、成人の汎発性インフルエンザワクチンのトライアルからいくつかの予審データを受け取ったとNewsがありました。

これは、人体試験からの世界初となるワクチンの臨床使用に向けたオーストラリアの実績であり、非常に積極的なステップに従った成果であるかと思います。

しかしながら、臨床使用するにあたり、望むような効果があるのか?副作用に問題は無いか?などと、初期のトライアルからの十分な情報がまだないとも忠告しています。この追加情報は来たる数週間予想されます。

そして、オーストラリア政府が入手した、2100万の投与量のワクチンは、その投与量に関し不安を抱える状況となっているのです。前述したようにトライアルデータが揃っていない現状で投与回数が1回で効果が期待できるのであればオーストラリアの人口は、約2000万人。十分に配布できるだけのワクチンは整っていますが、仮に投与が2回必要となって来た場合、つまり、これからワクチンを接種した人の中でウィルス感染を引き起こす割合や条件といったデータが全くない中で保持している限られたワクチンは、どうしても調整していかなければならないと言うことに繋がるのです。

ワクチンの最初に受ける優先権グループを連邦政府は、慢性病の妊娠している女性や人々などの社会的弱者で最前線医療保健業務従事者と、それらになるでしょう。そして、 より多くのワクチンが利用可能であるときは、より広い共同体にワクチンを提供するでしょう。と話しています。

子供は、まだデータ把握ができていないため最初のワクチン接種からは外れるとも言っています。

さて、日本の気候と正反対のオーストラリアは、移民も多く日本よりは数段、若い年齢構成の国です。一説には、オーストラリアの新型インフルエンザの流行は峠を越えたとの報告もありますが、日本でのワクチン・プログラムは、オーストラリアの教訓をいかに生かせるかが勝負となるのでしょう。

国内でワクチンが年内で生産できるのは今のところ、1300万人~1700万人分。
日本政府が必要と思われるワクチン数は5300万人分。

政府のリーダーシップを期待する。