新開さんの話は続く。

「で結局、瑠璃子の言動にまだデビュー前の最上さん…京子が受けて立つ格好になった訳だ。多分誰が聞いてもブチ切れるだろうと思うよ。あの言い草じゃあね。」

「…なんて言ったんです?彼女。」

春樹も京子さんの事は気に入ってるから、松内瑠璃子の言動が気になるらしい。新開さんもそんな春樹に応える。

「どうせ自分がいくらやったってOKなんか出す気ないんだろうから、そこのハイエナ部員にやらせればいい。ポイントのためなら何だってやるだろう、だとさ。」

…呆れ返る。春樹も同じ感情なんだろうか、言葉が出てこない。

「最上君もさすがに腹に据えかねたんだろうな、”そのくらいなら私にも出来そうだし、その芸能界への招待状、戴くわ”って。で俺もそれに乗っかる格好でスタイリストやメイク、衣装に準備させたんだ。…そういえば確かこの鞄の中に…。」

唐突に新開さんが持っていたセカンドバッグの中を探り始めた。

「おぉ、あったあった。事務所に送るよりも自分で会って渡そうと思ってな、ずっと持ち歩いてたんだ。その時の最上君の写真。いや~、化けたぞ。そこにいたスタッフ全員が度胆抜かれたからなぁ。」

ぱさり、と音を立てて一枚の封筒がテーブルの上を滑る。
黒崎さんが拾い上げ、開封して目を瞠って笑った。

「へぇ~、こりゃ化けたねぇ。」




みなさんお馴染みのあの写真、ほかの人にも見て欲しいって思うのは私だけか?