さっさと話を進めろ、と目で合図してくれた新開さんに頷き返して、僕はまた話し始めた。

「不破君と京子さんが次に会うまでの間に、京子さんと敦賀君の間には何かあると僕は思ったんだよね。元々敦賀君は人当たりがいいし、親切で温厚だし、京子さんへの態度もその延長線上だと思ってたんだ。でもね、今から思い返すと、敦賀君は事件の日の次の日の入りの筈だったのに、繰り上げて事件の日の晩にはホテルに着いてて、一足先に敦賀君のマネージャーさんが来てた。京子さんが敦賀君の事を凄く信頼してるのは知ってたから何か相談したんじゃないかなって思ったけど、敦賀君が傍に居てくれるよって教えたら、凄く嬉しそうに笑ったんだ、京子さん。」

「成る程な。ここで蓮が関わってくるのか。」

新開さんがうまくごまかせた事にほっとした様子で相槌を打った。

「たいした進歩だなぁ。俺が見た頃の最上…京子君は、考えられない扱いだったんだぞ?あの人当たりのいい蓮が必要最低限の扱いしかしない、なんて感じでな。」

「もっとびっくりしますよ。次の日に僕が見たものを実際に見たらね。」

僕の脳裏に次の日のバスの中の光景が蘇る。

「お昼休み中、僕がバスに残したままになっていた資料を取りに行ったら…敦賀君、京子さんの膝枕で寝てたんです。京子さんも寝てる敦賀君の髪を優しい微笑みを浮かべながら撫でてるし…。」

「「「~~~!!??」」」

最早言葉も出ない驚きようだ。

「トドメというかきわめつけが不破君に会った3回目なんだけど…まだ聞きたい?」




皆様ご存知のあれです。