いつも読んでくださってる皆さまに感謝しつつ前書きです!!


いやもうすっかりご無沙汰してます。

ちょいとプライベートで忙しかったもんで。(;^_^A




さて、この前書き逃げで無理やりっぽく終わらせた[天使の守護者たち]、ありがたくも番外編の希望を頂きましたのでお言葉に甘えちゃおう、というのが今回の話のきっかけです。


なので基本、キョーコちゃんも蓮さんも脇役です。


それでもいいっつー寛大なお心の持ち主は、このままお読みくださいませ。
m(__)m



それでは↓からどうぞ。









天使の守護者たち---番外編---

守護者の怒りの制裁は!?





緑川 和泉は仕入れた情報を一晩掛けて吟味し、尚治まらぬ怒りを抱えたまま足音も荒く事務所の中を闊歩していた。


女優でタレントの京子のマネージャーになって一月、彼女には惚れ込むばかりで失望させられることがない。


仕事に対する姿勢、自分を含めた周囲への心遣いと礼儀正しさ。


更に千や万の顔を持つかのごときジャンルを問わぬ活躍ぶり。


今まで見てきた芸能人の中でもかなり稀有な存在だ。

しかも売れてきている事実を驕る事もなく。


増えてきた仕事を自分の裁量で切り盛りし、マネージャー不在で乗りきってきた力量は最早10代の少女のそれではない。


こんないい子をよくあの変人社長が拾い上げたものだと、担当して3日と経たずに感心し、終いには惚れ込んで社員が通常特定の自社タレントのファンクラブに入るなどあり得ないのに、全く躊躇いも無く入会したのは自らの記憶に新しい。


最早和泉の中で京子は完全に可愛い妹ポジションを確立していた。


そんな京子が過去の話とはいえ、酷い目に遭っていたのだ。


黙っていられる訳がない。


奇しくも今日は学校に行っていて午後からの仕事で京子は不在。


緑川がファンクラブに入会しと知るや瞬く間に増殖した事務所内のファンクラブメンバーと話をして仲間を増やしたい和泉には好都合であった。



「おはようございますっ!!
椹主任、今お時間宜しいですかっ!?」



いつもならベテランマネージャーとしての貫禄を備え、穏やかに挨拶してスケジュールチェックに余念のない有能な女性が、常になく殺気立った様子で主任席に歩み寄って来たことに、様々なトラブルを捌いてきた椹ですら怯んで思わず椅子を引き下げた。



「あ、ああ…おはよう。
俺もまだ来たばかりだから少しなら時間はあるが…何かあったのか?」



「…主任仰いましたよね?
私が京子のマネージャーに就いた日、アカトキの不破 尚とは出来るだけ接触しない様にって。
あの言葉の真意を改めて伺いたいのですが?」



京子と不破 尚の関係を何か具体的にご存知なんですか、と和泉が付け加えると、椹はいいやと首を横に振った。



「最初はただのファンかと思ったんだよ。
事務所の志望動機からしても、ね。
しかし事務所に入った後、不破と接触がある度に彼女は毎回何かしらのトラブルを引き起こしてきたから、ただのファンとは言えない間柄じゃないかと薄々思ってはいたんだが…。
緑川くん、君何か知ってるのか?」



「…これは京子ちゃんのプライバシーに関わる事です。
京子ちゃん自身が先輩である敦賀さんに話していたのを立ち会っていた社くんが聞いたものを、私が又聞きした形で入手した情報ですので。
ただ客観的に聞いた話だけを総合すると、詐欺の被害者と加害者の様相を呈していたと思われますが…。」



勿論京子ちゃんが被害者でと和泉が付け足すと、椹は信じられないといった表情で椅子から立ち上がっていた。



「…本当か!?
たった16歳で詐欺被害!?」



「又聞きとはいえ、本人の言です…信憑性は高いと思われます。」



唖然とする椹に淡々と返しながらも、和泉は立ち上がった椹にですから、と一層詰め寄った。



「…LME社内にいる京子ファンクラブ会員に非常招集掛けてください。
昼休みに会議室集合ってことで。」



和泉の迫力ある微笑みにたじろぎながらも同意した椹は、一応社長にも報告すると言い置いて席を離れていった。


和泉はそんな椹を見送ると、タレント部にある自分のデスクで京子のスケジュールチェックやファンレターのチェックをこなしていく。



一方案件を押し付けられた椹はというと。



タレント部と同時にラブミー部に在籍する京子であるが故に先ずは社長に報告せざるを得ず、直接社長室に赴き、至急奏上したい用件がある旨を社長室付けの秘書に告げていたのだった。


「…成る程なぁ。
んで?
ネタの出どころの緑川は今何処だ?」



「タレント部のデスクでスケジュールチェックしている筈です。
…社長、もしかして不破 尚と京子の関係をご存知だったんですか!?」



「いいや?
ただ最上くんは普通の女子高生の育つ環境には居なかったんだろうと推測していただけさ。
あの子からは年相応の子供らしさがまるで感じられないからな。
お前も知ってるだろう?
あのくらいの世代の女の子が、愛と聞いて何を思うって訊いたら到底考えない、あり得ない言葉をあの子はのたまったんだ。」



あの子の過去を調べる良い機会かも知れんな、とローリィは懇意にしている調査会社に連絡を取るよう、秘書に指示を出した。










う~む、( ̄~ ̄;)また長くなりそうな予感が…。

だらだら不定期ですが見捨てないで下さいませ。
m(__)m