すいません、更新が滞っております。m(__)m


私事が重なりまして…(-_-;)


既に更新が植物並みになっております。(動いてんだか動かなかったのか分からないくらいののろさ)←…ダメじゃん。

でも頑張って更新しますっ!!

それでは↓からどうぞ!!









守護者たちによる緊急総会がネット上で執り行われた報告書は、彼らの生々しい遣り取りが一言一句漏らさず記載され、これまたローリィが頭を抱える内容であった。


例えて言えば、『総ては我等が天使の幸せの為に!!』とスローガンを掲げ、ダイヤモンドで出来たハンマーが振り下ろされようとも決して打ち砕かれない程の固き一枚岩の如き結束力で。


「…こういうのって多少なりとも違った意見っつーのが出ないか、普通…?」



あまりの結束力に脱力感を隠しきれないローリィが社長の椅子に深く凭れて天井を仰ぎ、盛大な溜め息を吐いても和泉はドきっぱりと爽やかな笑顔で断言した。



「我ら守護者の結束には決して揺らぎはない、と私は確信しております。
…社長、以前の経緯から私たち守護者は皆、京子ちゃんの生い立ちを少なからず知っています。
そんな生い立ちの京子ちゃんがそんな苦難を乗り越えて今、耀いてる。
  だからこそ、いつだって笑顔でいて欲しいし、護りたいんです。
その為の協力を惜しむような者たちは、守護者を名乗る以上誰一人としていないと確信しているんです。」



解るでしょうと母とも姉とも思える眼差しで訴える和泉に、ローリィはそうかもなと返した。



「…ふむ、だが緑川?
後込みしてるヘタレ野郎の話は出さなかったのか?」



議事録擬きの書類を捲りつつボヤくローリィに、和泉は若干顔を蒼くしながら言い返した。



「出せる訳ないじゃありませんか!!
〈“京子ちゃんの事が好きな癖に自分から告白もせずに、最終的には好きだって女の口から言わせた挙げ句、実は自分には資格がないなんて言い訳付けて逃げそうなダメダメヘタレ男”に京子ちゃんが想いを寄せてるらしい~〉なんて。
んなことしたら敦賀くん、どこぞのバカボンの二の舞になって世間から抹殺…なんてことになりかねませんよ?
幾ら京子ちゃんが可愛いからって、流石に日本屈指のウチの稼ぎ額のイケメン実力派俳優を潰しちゃ、私社長に顔向け出来ませんから。」



「……少なくとも会社に損害を与える前に止まってくれる意識がお前さんにあった事に感謝するよ、俺は…。
んで、具体的にはどうするつもりだ?
守護者連中としちゃあ。」



取り敢えず自社のドル箱俳優の役者生命が一時とは言え危機を免れた事に背筋が凍る思いをしたが、ローリィは今後に向けて意識を切り換えた。



「そこはまだ何とも…具体的な行動指針を話し合ってからですね。
私達守護者は何より京子ちゃんの笑顔と幸福を優先します。
  …ですから、彼女にとってどういう道が最も耀く笑顔になれるか、それがどんな道か、その道へ彼女が辿り着く為に私達守護者にどんな後押しが出来るか、ちゃんと話し合う必要と調査する必要があると思うんです。」



そこんとこは先ず各支部の代表達と相談して、各支部で総意を纏めてもらって、更に調査結果と合わせて再度総会に懸けて…とブツブツ計画を練る和泉に、ローリィはどこの企業総会だよと呆れ顔になりつつも取り敢えずは経過を見守る…という名目の、実は放っておいて高見の見物を楽しもうというとことん楽しむポジションに座る事に決めたのであった。




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さて。


毎回ブッ飛び暴走和泉スイッチをONにする後輩マネージャー、社 倖一はそんな守護者の動きを知る由もなく相も変わらず蓮に殺到するファンを凍り漬けにしつつ分単位の仕事を蓮と共にこなす毎日を送っていたのだが…。


此処で敢えて言っておこう。


社 倖一は守護者ではない。


飽くまでも恋愛にトコトン不器用な弟(蓮)妹(キョーコ)を持ったお兄ちゃん気質な、只の…いや、有能な芸能マネージャーである。



その日も無事予定のスケジュールを終了させ、帰宅する蓮と別れて残った書類仕事と翌日のスケジュールの再チェックの為にやや重い足取りで事務所ビルへと足を踏み入れた途端、社は両脇から腕をマッチョなガードマンに掴まれて拘束され、有無を言わさず社長室直通エレベーターにポイッと放り込まれた。


時刻は深夜。


時間にして僅か数分の出来事であった。


その間社は一言の叫び声すら上げる余裕も無かったが、エレベーターの扉が閉まり上へと上昇し始めて漸く、己に何が起きたのか床に座り込みながら思案を始めた。



(うわ~、なんか凄く嫌な予感がする…。
どのネタでお呼び出し以上のブッ飛びなお招きになってんのか見当が付かないよ…。)



そんな事をつらつら考えているうちにエレベーターは社長室のあるフロアに到着。


諦めて降りると、社は目の前の大きな扉をノックしたのであった。