大阪 店舗内装屋さんが語る、繁盛店作りの裏話 -4ページ目

・外野の意見に惑わされるな

こんにちは。繁盛店を作る内装屋の満田次郎です。

しばらく、ブログの更新が滞っていました。
実は、店舗内装業界の繁忙期だったんですよ。
バーゲンの後、いっせいに改装工事が始まって、徹夜続きの日々が続いておりました。
やっと、少し落ち着いたので、ブログも更新していきますね。
これからもよろしくお願いします。

さて、今日はある居酒屋さんの改装相談を受けたときの話。

その居酒屋さんは、これまでも20年以上商売をされています。何店もお店をやってきましたし、そのお店を全て繁盛店にしてきた実績があります。

居酒屋のことは知り尽くしている粋なオヤジさんが店のオーナーです。

メニューのこと、レイアウトのこと、厨房の作業動線・・・。そういうことについて、非常に的確な意見をもたれています。

だから、打ち合わせもスムースに進みました。


これで、いよいよ工事着工・・・と言う段階で、横ヤリが入ったんです。

まわりの人がいろんな意見を言い出しました。

「これからは、若い子を取り込める店にしないと・・・。」
「いずれ、2代目の息子に店を継がせるのだから、息子の意見を取り入れないと・・・。」
「これまでの年配客を相手にしていては、ダメだ。」
「メニューをもっと増やさければ飽きられる。」
「カクテルを置いて、もっと女性にアピールしないと・・・。」


お客さんや親戚、知人、いろんな人が、口々に意見を言います。

特に、飲食店の場合、誰もが「お客さん」としてよく利用するものだから、みんながそれぞれの意見、考え方を持っています。

賑やかな店が好きな人もいるし、落ち着いた店が好きな人もいます。
カウンターで飲みたい人もいるし、座敷で落ち着いて飲みたい人もいます。
焼酎が好きな人も、カクテルが好きな人もいます。
ジャズが好きな人もいるし、演歌が好きな人もいます。


よく、「お客様の意見を聞くことが大切」と言う話を聞きます。確かに、お客様の声は貴重です。無視するわけにはいきません。

でも、貴重なお客様の意見を鵜呑みにして取り入れるか、方針と違うので切り捨てるのか、それを決断するのはお店のオーナーです。

意見を「聞く」ことが大切なことであって、意見を「鵜呑みにする」ことは重要ではありません。
むしろ、意見を鵜呑みにすることはとても危険です。意見を鵜呑みにしていてはキリがありませんし、何の個性もない、無節操な店になってしまいます。

このオーナーの場合、しっかりとした意見を持っていたのですが、この不況とあいまって、迷いが生じました。自分が店に立つ分には良いのですが、息子が後を継ぐことについては、自信を持てない部分もあったようです。

「これまでの俺のやり方は通用するのか・・・。」

オーナーのオヤジさんの心には、そのような考え方が浮かび上がってきたようです。
結局、横ヤリの意見に惑わされて、改装計画は保留となりました。

私自身も、外野の意見について、配慮が足りなかったと反省もしました。


人は、誰も未来のことはわかりません。店舗工事となると、数百万円~数千万円、あるいはそれ以上の額の投資の決断をしなければなりません。

いろいろな人が口々に意見を言っても、誰も責任を取ってくれるわけではありません。責任を取るのはオーナーです。

だからこそ、オーナー自身が決断をしなければなりません。


松下幸之助の言葉に、このような言葉があります。

「周知を集めて一人で決める」

素直に人の意見に耳を傾け、多くの人の意見を聞きます。その上で、一人で決断する。お店を持つオーナーとして、とても大切な考え方だと思います。



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