泡姫物語2*ソープ嬢の恋* -2ページ目

目次*第2話ソープ嬢の恋*

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NEW*5/3 第二章⑤
*4/19 第二章 ④
  


第2話 「泡姫物語*ソープ嬢の恋*」

プロローグ

第一章「トモダチ」

第二章「コイビト」


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第2話 /第二章「コイビト」⑤

考えていても、しょうがない・・・


とにかく伝えなくちゃ。


今日は寮にいると言っていた。


電話すれば、確認できるはず・・・




「もしもし・・・・?カズ?」




「ん?ああ。何?」




「あのね・・・・」





言葉が続かない。



どう伝えればいいのか分からない。





「ごめんね・・・あのね・・・・」




「何?どうした?」




言わなくちゃ・・・




「毛じらみ、うつしちゃったかもしれない・・・」




「へ?」




意味が分からないといった返答だった。


とにかく、確認をしてもらわないといけない・・・




「パンツ脱いで、確認してもらっていい?」




「え?何を?」




「毛じらみ・・・・」




「シラミ?」




「うん・・・卵みたいなのが、アタシにくっついてたから、

もしかしたら、カズにもうつしちゃってるかもしれないの・・・」




少しの沈黙の後。




「かけなおす。」




と言って、電話が切れた。





無音の携帯電話を耳に当てたまま。




アタシはずっと。



考えていた。




これで終わりかな?と・・・




アタシが、風俗嬢でいる限り、


こういったリスクは付きまとうもの。


だからしょうがない。なんて言えるほど


アタシは強くない・・・・




今、彼を失っても。


アタシはヒトリでやっていけるのだろうか?




今、彼を失っても。


アタシは大丈夫なのだろうか・・・




答えは出ない・・・・


よく分からない・・・・





ブーブーブーブー



携帯が鳴る。





怒られるよね・・・・



呆れられるよね・・・・




そして、多分もうきっと。



終わりなんだよね・・・・





「もしもし?」




「やべーよ。10個くらい卵あるんだけど。」




予想していたのとは違う彼の反応に、


アタシは驚く。




「ごめん。本当にごめんね・・・・」





「え?何であやまるの?」




「だって・・・アタシが・・・」




「これうつったの、寮の風呂かもしれないじゃん。」






何でかばってくれるんだろう・・・



カズは何で・・・・





「しょうがないな。全部剃るか。


寮の風呂入るとき、すげー笑われそうだから、


しばらくそっちで、風呂入らせてよ。」





「うん・・・」





アタシは戸惑ったまま・・・・





「これって、何か薬あるのかな?」




「うん・・・ネットで取り寄せたから、明日着くと思う。」




「二人で剃りあいっこしよっか。」




と笑うカズ・・・





「何で・・・」




「え?」




「何で、怒らないの・・・?」




「何で怒るの?てかへこむなよ。たかがシラミで。

毎日、うちの寮だって、何百人って風呂使ってるんだから、

どっちでもらったかなんて、分からないじゃん。

現に、俺のほうがいっぱい卵くっついてるし。」




「ぷっ・・・」




「なんだよ。笑うなよ。」




「いっぱい卵ついてたの?」




「すげーよ。いっぱい。」





一生懸命、状況を話すカズの声を聞きながら。


アタシは、涙声にならないように、


ずっと笑っているふりをしていた。





カズでよかった。という気持ち。



ありがとうという気持ち・・・



早く、風俗やめなくちゃ・・・



そして、普通の女の子にならなくちゃ・・・・






ヒトリ。



感傷に浸っていたアタシには・・・



電話の向こうで、無理をしている彼を・・・・



見抜くことはできなかった・・・・





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泡姫物語の第一話を、
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(ノンフィクション) 『紅姫物語』 ゆきの桃花 
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【ケイタイ用】第2話 /第二章「コイビト」④ 

閲覧制限かかってしまいました・・・・


こちら(   )でお読みください。  



泡姫物語2  第2話 /第二章「コイビト」④  (   )