第2話 /第一章「トモダチ」
「モモカちゃん、彼氏いるの?」
今日で3度目のお客様。
ずっと通ってくれるだろうか・・・・
アタシは、少し悲しい顔で、嘘を吐く。
「うーん・・・いないんですよぉ。」
いつまでこれで、引っ張れるか・・・・
駆け引きは。難しい。
そりゃあ、指名はないよりも、あったほうがいい。
手取りも2000円UPする。
それに、指名があった日は、
お店も、多くお客様をつけてくれるようだ。
面接の時に、個室待機を希望したアタシには、
他の子がどれくらいお客さんについているのか、
今日、店はどれくらい忙しいのか、
出勤しても、知ることは出来なかった。
お店には、控え室が3つあること、
女の子の派閥があるらしいこと、
そんな情報も、通いなれたお客様から得た。
今までは、みんなと仲良くできたけれど、
ソープはなんとなく、違うような気がして、
控え室待機は、怖かったのだ。
個室待機なら、
他の子が何人ついてるか。なんて気にしなくてすむし、
店の悪い噂も、耳に入らない分、
オシゴトに集中できる。
暗い個室で、不安になったり、
とんでもない客に当たっても、
はけ口はないけれど、
アタシには、
「1人で頑張る」
という、このスタイルがあっている気がした。
彼氏がいない。なんて、
いつも嘘をついているけれど・・・・
カズとは、
まだ、お付き合いが続いている。
「ソープで働いている。」
ということは、
結局、伝えていない。
伝えるタイミングを、完全に逃してしまった。
アタシはカズに、仕事の話はしなくなった。
カズも、アタシに、何も聞いてこなくなった。
だから。
アタシは。
どんなにつらくても、
カズに愚痴はこぼさなくなった。
いや・・・
こぼせなくなったのだ・・・・
ひどく曖昧な関係が、続いていたけれど、
いつか、借金がなくなって。
アタシが「普通」になれたとき。
そのときにちゃんと、
カズと真正面から向き合おう。
そう、思っていた。
今日で3度目のお客様。
ずっと通ってくれるだろうか・・・・
アタシは、少し悲しい顔で、嘘を吐く。
「うーん・・・いないんですよぉ。」
いつまでこれで、引っ張れるか・・・・
駆け引きは。難しい。
そりゃあ、指名はないよりも、あったほうがいい。
手取りも2000円UPする。
それに、指名があった日は、
お店も、多くお客様をつけてくれるようだ。
面接の時に、個室待機を希望したアタシには、
他の子がどれくらいお客さんについているのか、
今日、店はどれくらい忙しいのか、
出勤しても、知ることは出来なかった。
お店には、控え室が3つあること、
女の子の派閥があるらしいこと、
そんな情報も、通いなれたお客様から得た。
今までは、みんなと仲良くできたけれど、
ソープはなんとなく、違うような気がして、
控え室待機は、怖かったのだ。
個室待機なら、
他の子が何人ついてるか。なんて気にしなくてすむし、
店の悪い噂も、耳に入らない分、
オシゴトに集中できる。
暗い個室で、不安になったり、
とんでもない客に当たっても、
はけ口はないけれど、
アタシには、
「1人で頑張る」
という、このスタイルがあっている気がした。
彼氏がいない。なんて、
いつも嘘をついているけれど・・・・
カズとは、
まだ、お付き合いが続いている。
「ソープで働いている。」
ということは、
結局、伝えていない。
伝えるタイミングを、完全に逃してしまった。
アタシはカズに、仕事の話はしなくなった。
カズも、アタシに、何も聞いてこなくなった。
だから。
アタシは。
どんなにつらくても、
カズに愚痴はこぼさなくなった。
いや・・・
こぼせなくなったのだ・・・・
ひどく曖昧な関係が、続いていたけれど、
いつか、借金がなくなって。
アタシが「普通」になれたとき。
そのときにちゃんと、
カズと真正面から向き合おう。
そう、思っていた。
第2話 /第一章「トモダチ」
どうして今更微笑んでいるの?
どうして今更抱きしめてくれるの?
はっきりとは見えない。
ぼやけてよく見えない。
本当に君なのかも、
よくわからない。
でも。
アタシが呼んでいた名前・・・
トゥルルルルルルルル
電話のコール音。
びっくりして飛び起きる。
固いベッド。
サイズ別のゴム。
小ぶりな湯船。
遠くから聞こえるアエギ声。
ここは、
アタシが働くソープの個室。
「はい」
「桃花さん。ご指名のお客様お願いします。」
ここ最近、ひどく忙しい。
夏のボーナスが出たせいだろう。
指名のお客さんが来るまでの、
30分ほどの時間を、
アタシは、ベッドに横になって過ごした。
そんなわずかな休息の時間にまで、
現われる幻影・・・・
「何で、今更・・・・」
髪を整えながら、アタシはつぶやく。
ソープ嬢になって2ヶ月あまり。
お店は、それなりに繁盛していて、
17時~ラストまでの出勤で、
お客様が5人を切ることはほとんどない。
支払いも落ち着いたし。
やりたいこともできるようになった。
休みの日には、
念願だったネイルスクールにも通っていて、
「毎日が充実している」
そう思える。
女子高生風の格好をし、
前髪をシュシュでしばり。
階段を上がってくるご指名のお客様に、
大きな声で、挨拶をする。
「こんにちわぁ~お久しぶりですぅ♪」
モモカは、いつも元気だ。
いつも元気でいなくちゃいけない。
それがアタシの唯一のとりえなのだから・・・・
→
どうして今更抱きしめてくれるの?
はっきりとは見えない。
ぼやけてよく見えない。
本当に君なのかも、
よくわからない。
でも。
アタシが呼んでいた名前・・・
トゥルルルルルルルル
電話のコール音。
びっくりして飛び起きる。
固いベッド。
サイズ別のゴム。
小ぶりな湯船。
遠くから聞こえるアエギ声。
ここは、
アタシが働くソープの個室。
「はい」
「桃花さん。ご指名のお客様お願いします。」
ここ最近、ひどく忙しい。
夏のボーナスが出たせいだろう。
指名のお客さんが来るまでの、
30分ほどの時間を、
アタシは、ベッドに横になって過ごした。
そんなわずかな休息の時間にまで、
現われる幻影・・・・
「何で、今更・・・・」
髪を整えながら、アタシはつぶやく。
ソープ嬢になって2ヶ月あまり。
お店は、それなりに繁盛していて、
17時~ラストまでの出勤で、
お客様が5人を切ることはほとんどない。
支払いも落ち着いたし。
やりたいこともできるようになった。
休みの日には、
念願だったネイルスクールにも通っていて、
「毎日が充実している」
そう思える。
女子高生風の格好をし、
前髪をシュシュでしばり。
階段を上がってくるご指名のお客様に、
大きな声で、挨拶をする。
「こんにちわぁ~お久しぶりですぅ♪」
モモカは、いつも元気だ。
いつも元気でいなくちゃいけない。
それがアタシの唯一のとりえなのだから・・・・
→
第2話 /プロローグ
固く閉ざしていた瞳を
ほんの少し開いた
胸が潤む・・・・
そんな、初めての感覚
かみさま。
すべては一時的感情で
出てきた代物なら
それは間違いですよと
警告してください。
傷つく未来が、先に待っているよと
警告してください。
これは・・・・
過ちですか・・・・
→
ほんの少し開いた
胸が潤む・・・・
そんな、初めての感覚
かみさま。
すべては一時的感情で
出てきた代物なら
それは間違いですよと
警告してください。
傷つく未来が、先に待っているよと
警告してください。
これは・・・・
過ちですか・・・・
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