続き物となっておりますので、まずは既に掲載しております【初めての夏休み 第1話】 よりお読み下さいませ☆


【初めての夏休み 第16話】

頬を膨らませて視線を背ける沖田さんを見て、土方さんは大きな溜息をついた。 一度機嫌を損ねたら最後、丸一日口を利かない事など珍しくはなかった。 先程までの焦燥感を落ち着かせる為にも、不本意ながら土方さんは沖田さんの話を聞く事にした。

「ああ、悪かったな。 その甘酒は旨かったか?」

「それが妙なんですよ……甘酒っていう札の貼られている木箱を重そうに担いでいたのに、私が一杯欲しいって言うと、甘酒なんて無いって無愛想に吐き捨てる様に言うんですよ……それで足早に通り過ぎて行っちゃいました。 甘酒の売れ行きが悪くて私に当たったのかな……それにしてもひどいですよね」

「お前はお人好し過ぎるんじゃねえか? だからそうやって誰にでも悪態をつかれるんだ。 それにその羽織を着ていたら京の連中は良い顔しねえだろうな。 まあ、そうは言っても甘酒屋の鉄釜は空でも結構な重さがありそうだしな。 どうせこの暑さに参っちまったんだろ」

「いえ、甘酒売りさんはちょうどそこの表の戸口から出たばかりだったので……」

「……ッ?! 総司、それはいつの話だ?」

それまでは適当に相槌を打ちながら溜息混じりに半分うわの空で聞いていた土方さんだったが、突然形相を変えてガバッと沖田さんの両肩に掴み掛かった。

「……ど、どうしたんですか?!」

急に肩を掴まれた沖田さんは、驚きに目を丸くして土方さんの顔を恐る恐る見上げた。 そして何かを思い付いたようにくすくすと笑った。

「ああー、なるほど……!土方さんも甘酒が飲みたかったんですね?」

「違うに決まってるだろ! そいつはどんな奴だったんだ?」

真顔で問い詰める土方さんに、ただ事ではないと悟った沖田さんはゴクリと唾を飲み込んだ。

「えっと……そ、そうですね、商人にしては目付きが鬼のように険しくて……あ、ちょうど今の土方さんみたいでしたよ」

「ッ……総司! あのな、人を鬼扱いするな! 他には何か特徴とかねえのか?」




~執筆後記~

毎度のことながら中途半端な終わりかたでハラハラさせてしまいすみません( ° ω ° ; )
土方さんに、早く助けに行ってもらわなきゃですよね~~
鬼の副長と沖田さんの絡み、何気に好きです♪どんどん長くなりそうなので、ちょっと短めにしたつもり←w
そして沖田さんが目撃した怪しげな甘酒売り……何かありそうですね

昨日、無事に京都より江戸へ帰って参りました☆
浜松から帰ったあとに体力的に大丈夫と判断してくれた親と出発寸前に申し込んだのでノープランでしたが、毘沙門堂にちゃんと御礼参りに行ったり充実の旅になりました( 〃▽〃)
晴れ女二人の道中、雨も降らずにほんのり色づき始めた京都を満喫できました♪
そして次の京旅行も同時に申し込んでから出発するというw次回は11月全滅だったので12月頭に行ってきます♪紅葉オンシーズンに行かれる方が羨ましい(*ノ▽ノ*)
旅レポ、余裕があれば後日上げます……アップされなければ力尽きたと思ってくださいませ←

リボンSpecial Thanksリボン

~前回のブログにコメント下さった方々~
香姫♪♪さん、いおん散らし寿司さん、エリス空さん、キトリさん、かのんさん、MiYUKIさん、ムーンストーンさん
いいねグッド!してくださった皆様、温かいメッセージを下さった皆様、読者の皆様音譜

{5FE19CFF-CD12-47F6-A4E1-A5E7F91E2B84:01}
↑毘沙門堂の本堂を裏から
ほんのり色づき始めた木々が綺麗でした