先日、ある稽古場に、体験見学者が来られました。

 

 

その方は、私よりもお姉様で、年齢は聞かないけれど見た目70歳代半ばから後半くらいのご年齢。

 

聞くところによると、現在101歳のお姑さんと同居中。

 

毎日お姑さんと一日中顔を付き合わせていても息が詰まるから、お稽古事を再開したいとの事でした。

 

 

それでも、いざ来てみたら、地下鉄の乗り換えもあり少し家から遠い気がしたのと、

 

高齢のお姑さんを抱えている自分はいつ稽古を休みがちになるか分からず、月に2回の稽古にきちんと来れる自信もないとのこと。

 

自主サークル故に当番とかもあることがネックになり、入会していざ稽古を始めても休みがちになると心苦しくなりそうな懸念があるとのことで、入会を断念されました。

 

 

「お姑さんと毎日家にいると息がつまりますよね?!」と申し上げると、「そうなの!」と仰る表情には、押し殺している感情が漏れ出ていました。

 

いいお嫁さんを頑張ってしていらっしゃる反面、誰かにもっと愚痴る場も欲しいでしょうね…

 

 

この方のように、70歳代になったら好きな趣味事をして生きていきたいと思っても、それすら難しいなんて、大変です…(>_<)

 

 

私の場合は、姑が101歳になるまで残り17年ちょっともあります。その時は私も、稽古場にいらした見学者のような70歳代後半にさしかかります。

 

 

これが在宅介護だとしたら、これからまだ17年間以上も、自分の自由が効かない介護が続くことになると思うと、言葉を失ってしまいます。

 

 

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親の在宅介護に入っている私の友人たちも複数名

 

 

友人のお母様は、老人ホーム入居前の私の姑と同様に、身体は元気なのだけど、気力がなくなり何もかも面倒がって風呂にも入ってくれないそうです。

 

私には、精神科医療につなげて奮闘した末に投薬と住居環境の変化で現在調子を戻してきてくれている姑がいますが、その方は、親御さんを精神科医療には繋げていません。

 

同居は息が詰まるからと、通いで毎日母親の食事含む洗濯、掃除など家事の世話をしに行っていると話しています。

 

 

 

もう一人の、母親と同居中の友人は、認知症になってきた母親を家に残して我々仲間と会うのが息抜きになっているようですが、途中、外に勝手に出てしまっていないか?と、確認の電話を入れています。

 

最近では「介護に終わりが見えない」と嘆き、少しうつっぽくなっているようです。

 

 

この方たちのお母様は共にデイサービスに行くのを嫌がる問題を抱えているため、余計に自分の時間を友人たちは取得しにくいのです(>_<)

 

 

それでも彼女たちにとっては大事な親

 

長生きして欲しいのはやまやまでしょうが、終わりが見えないお世話の介護は、いくら自分の親とはいえ辛い側面も多々あるようです。

 

 

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先日も私は、老人性うつを患う姑の精神科付き添いの日で、姑とランチの後Cafeにも立ち寄ってお喋りしてきました。

 

どこにも出かけられずひとりで入浴もできなくなっていた姑が、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を服薬しているとはいえ、入浴も1人でできるようになり、外食も出来て、今度は一泊旅行に連れていってほしいと言えるまでに回復してくれています。

 

 

「何日も前から老人ホームに入居してきたお婆さんは、毎日家に帰りたいと嘆き、玄関口から終日離れないんだよね… スタッフも大変だわ」と姑が教えてくれました。

 

 

自ら望んで入居してくる人もいれば、認知症かそうでないかは分からないけれど、少なくとも本人の意思に関わらず家族によって入居させられるご老人もいます。

 

 

ご家庭によって様々な事情があるでしょうが、そんなご老人のご親族は悩ましいでしょうね…

 

 

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誰もが歳を取ります。

好き好んで子どもの世話になりたがるご老人なんていないですね。

 

それでも歳を取ると自分のことしか考えられなくなり、世話してくれる子やお嫁さんのことを思いやる余裕もなくなるようなお年寄りもいらっしゃるのです。

 

 

自分もいつかそうなる可能性もあるだろうか??と思うと他人ごとではありません。

 

 

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ここまでは、デイサービスや老人ホームへの入居を拒むご老人もいらっしゃるということを書きましたが、

 

一方、デイサービスはともかく、老人ホームには、入ってほしくても入ってもらえない事情もあったりします。

 

ネットなどで、住宅型有料老人ホームの平均相場を調べると、月額利用料12万円などと書いてありますが、

 

ちょっと満足いく施設ともなると、私の親たちの場合は2人入居でしたので、2人で月額60万円前後を支払っていました(>_<)

 

 

父親の再婚相手の方は透析患者だったとはいえ、そのときはまだ73歳でした。

 

これからまだ何年生きるかわからない状況でしたので余裕持って暮らしていきたいから、住んでいたマンションを認知症の父が所有者の中、マンションを売却して、まとまったお金を準備しておいたのです。

 

 

そのときの様子を書いたのが、こちらのブログです。

   ↓

 

 

 

 

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姑も月額30万円ちょっと支払っています。

 

姑の自宅も売却して資金化しました。

 

売却理由は、そのまま空き家にしておいても、固定資産税や維持費もバカにならないという理由もありました。

 

 

月額30万円以上支払っても、有料老人ホームは、自宅の広めの家に比べたら比べ物にならないほど部屋は狭く、ワンルームマンションに暮らすようなものです(>_<)

 

 

姑は比較的まだ新しく大きな家に1人で暮らしていて、元気だった頃は「死ぬまで自宅で暮らしたい」と言っていた人なので、狭いワンルームの部屋で満足してくれるだろうか…という心配はありましたが、そういう心配は杞憂に終わり、何よりも人が常にいるから寂しくないし、身の回りのことを何もしたくなかった姑なので、美味しい食事を提供していただけ、常に快適な温度の室内で過ごせる環境を気に入ってくれています。

 

 

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一般には、ここまで有料老人ホームに支払うことを考えると、ギリギリまで在宅を頑張って、家族では介護ができないほどの状態になってからの老人ホーム入居を考えるという友人たちが大半です。

 

その分岐点として考えるのが、しもの世話の有無ということになってくるようです。

 

その家族の代わりを職員さんがしてくださるのですから、本当に頭が下がるお仕事です。

 

 

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そういうわけで、姑が暮らす有料老人ホームには100歳を超えた人も珍しくなく、82歳のときに入所した姑は「ホーム内で自分が一番若いくらいだ」と話しています。

 

 

事実、私の目の前でもお年寄り同士年齢を教え合う場面も多く、姑は若造扱いされているという光景が私の目の前で繰り広げられたこともありました。

 

 

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子の数も少なく、子の介護をあてにできないし、あてにもしたくない我々世代にこそ老後資金は絶対に必要です。

 

 

公的年金や民間年金を十分すぎるほど準備できそうなら別ですが、

 

これから子育てをしていく人たちも、子の教育資金で自分たちの財産を使いつくすということはしないほうがいい…と言えると思います。