3月26日、引き分け以上でワールドカップ出場が決定するはずだったアウェイヨルダン戦は、日本の弱点となっているセットプレーと中盤のミスからのカウンターを喰らって2失点。攻撃陣も圧倒的に攻め込みながら詰めが甘く、PKまで外す展開でまさかの敗戦。ワールドカップ出場はお預けとなりました。あれから2ヶ月あまり経過して、6月の2連戦がやって来ます。やっぱり決めたいのは、6月4日のホームオーストラリア戦。ホームゲームは、昨年9月以来なので久しぶり!大観衆の前で勝ってすっきり決めたいです。それでは今回のメンバーを紹介しましょう。



6月4日オーストラリア戦メンバー

GK

川島永嗣(スタンダール・リエージュ/ベルギー)
西川周作(サンフレッチェ広島)

権田修一(FC東京)



DF
駒野友一(ジュビロ磐田)
今野泰幸(ガンバ大阪)
栗原勇蔵(横浜F・マリノス)
伊野波雅彦(ジュビロ磐田)
長友佑都(インテル/イタリア)
内田篤人(シャルケ04/ドイツ)
吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)
酒井宏樹(ハノーファー96/ドイツ)
酒井高徳(シュツットガルト/ドイツ)



MF
遠藤保仁(ガンバ大阪)
中村憲剛(川崎フロンターレ)
長谷部誠(ボルフスブルク/ドイツ)
細貝萌(ヘルタ・ベルリン/ドイツ)
本田圭佑(CSKAモスクワ/ロシア)
高橋秀人(FC東京)



FW
前田遼一(ジュビロ磐田)
岡崎慎司(シュツットガルト/ドイツ)

ハーフナー・マイク(フィテッセ/オランダ)
乾貴士(フランクフルト/ドイツ)
香川真司(マンチェスター・ユナイテッド/イングランド)
清武弘嗣(ニュルンベルク/ドイツ)
工藤壮人(柏レイソル)
東慶悟(FC東京)




本田・長友が復帰した以外は、大体いつものメンバーが揃いました。ザッケローニ監督のメンバー構想はほぼ固まっていると言っても良いでしょう。しかし、Jリーグから活きのいい若手が2名選ばれました。今回は25名の召集なので、アクシデントや調子の悪い選手がいたら割って入るかもしれません。まず1人目はFC東京の司令塔東慶悟選手。ロンドン五輪の中心メンバーで、サイドもトップ下も出来る非常に万能な選手です。パスも出せますし、飛び出しも得意です。もう1人はJリーグで得点ランニング2位で、ACLでも活躍している工藤壮人選手。スピードある突破とシュートセンスは非凡です。この2人が新風を巻き起こしてくれるとチームは活性化すると思います。




ザッケローニ監督のコメント(スポーツナビより)

 当然このような状況において集中しているし、目標達成のために何としてもという気持ちも強い。しかし、国際親善試合のブルガリア戦を挟んでW杯予選がありますが、変に焦らずこの2試合を最高の状態で戦いたい。先ほども原委員長から説明がありましたが、日程の面で問題はある。海外組はシーズンを終えたばかりで、国内組はシーズン中と調整が難しくなっている。



 とはいえ、ここまできたら自分たちで(W杯出場を)決めたい思いも強い。自分たちの特徴である技術力とバランスを駆使して、相手に気迫を持って迫る戦いをしたい。現時点でこのチームに対する期待や、世の中の雰囲気的にW杯出場が決まったように流れているかもしれない。しかし、そういったことはないので、メンバーが合流した時点でチームのテンションを高める作業をしたい。



 選手たちに言おうと思っていることは、このチームが良いときはチームのインテンシティー(強烈さ)が発揮され、回転率が高いときだと思っていること。欧州に目を向けてみても、今シーズン結果を残しているバイエルン・ミュンヘン、ボルシア・ドルトムント、ユベントス、マンチェスター・ユナイテッドといったチームは共通してインテンシティーを持っている。なので、日本代表もそういったところを重点的にやっていく。




 そして、そのインテンシティーを出すために必要なのが集中といったところなので、選手に注意を呼び掛けてやっていきたい。欧州のサッカーを見ても、いくら個の力が強くてもインテンシティーに欠けたチームは結果を残せていない。何が言いたいかと言うと、われわれの技術力はアジアで1番だと自負しているが、インテンシティーがなければその技術力も良い方向へは進まない。



 これまでも言っているが、若くて成長を続けている選手には注目している。同時に代表に呼ばれても常連として定着するわけではないので、継続したさらなる成長を見せてほしいと思っている。この2人に関しては、3年前に監督に就任してからこれまでに良い成長を見せてくれたし、今後も期待している。




 東に関しては、ユーティリティープレーヤーなので、トップ下やセカンドトップ、そしてサイドができると思う。しかし、これまでを見ると大宮(アルディージャ)でやっていたセカンドトップや、今のトップ下が彼のポジションだろう。ここで強調したいのは、現在の彼の年齢とレベルを照らしわせると良いレベルにはいる。しかし、代表に定着するほどの実力はまではついていないということ。


――ヨルダン戦はセットプレーでやられたが、オーストラリア戦でのセットプレー対策は?

ザッケローニ監督 オーストラリアは空中戦での強さ、フィジカルの強さを押し出してくるはずなので、しっかりと対策したい。そして、相手の良さを消しつつ、自分たちの特徴と良さを出していきたい。


――インテンシティーは切り替えの早さや運動量だと思うが、詳しく教えてほしい?

ザッケローニ監督 切り替えというのはあくまでも試合の中での局面的なものでしかないので、そういう意味ではない。オンのときでもオフのときでも活動的になることがインテンシティーの意味。例えば、自分たちがボールを持っていないときには、相手のボールホルダーに対してアプローチに行く。そしてそのアプローチに後ろの選手が連動して動く。というように、すぐにアプローチできるような準備を進めていくこと。逆にボールを持っているときは足下だけでつなぐのではなく、スペースにボールを出す、走りながら素早くボールを進めていくというような活動的になることも含んでいる。



――本田のけがの状況はどのくらい把握しているか?

ザッケローニ監督 順調に回復しているし、現時点では完治していないと聞いている。どのようなコンディションで選手が合流するのか興味はあると言ったが、これから国内外で試合もあるので、現時点ではどのような状況で選手が来るのか把握しきれない部分がある。



――海外組には合宿までにどのような調整をして合流してほしい?

ザッケローニ監督 まずは2、3日はゆっくり休んでほしい。その後は所属していたクラブや代表のスタッフとともにコンディションを整えてほしい。




――長友の状態はどうとらえている? また、期待することは?

ザッケローニ監督 まずは、2試合フル出場しているのは良いニュース。それ以前の期間にチームを離れていたので、コンディションは分からないが、手元で確認したいと思う。少なくとも痛みがないのはポジティブなニュースだ。



――ブルガリアに対する印象は? また、どういう部分でインテンシティーを発揮してほしいか?

ザッケローニ監督 ブルガリアの印象は、1994年のW杯でもベスト4に駒を進めており、当時は良い選手がいた印象を持っている。それに、ここにきてチームを立て直しており、今のチームにも良い選手がそろっている。W杯欧州予選でもイタリアに続いて、2位をキープしているフィジカルと技術のバランスが取れたチーム。それに、守備からカウンターで決めるという印象だ。



 インテンシティーについては、自分たちのコンディションもあると思うので、コンディションも試合に合わせていきたい。それに、この試合に向けてチームとして高い集中を保って臨みたいと思う。



――本田はコンディションに不安があるが、招集を決断した理由と期待は?

ザッケローニ監督 招集の理由は、けがからの時間を考慮した上で、6月4日の前には完治すると判断した。彼のコンディションがどこにあるのかも踏まえて、最終的なメンバーを決めていかないといけない。そういった背景もあって今回、東が26名の中に入っている。



――長友が手術をせずに復帰したが、アドバイスは送った?

ザッケローニ監督 長友とは一度も話していない。それぞれの仕事の役割を尊重している。チームのドクターやメディカルチームが、長友に助言を送るのが仕事のやり方だと思う。なので監督としては、何も話していない。



――香川のこの1年の成長をどう考えているか?

ザッケローニ監督 ドルトムントのときもそうだが、香川は優勝して日本に帰ってくることに慣れている。近年でのタイトルの数も素晴らしい。しかし、ここで満足せずに、これからも貪欲にタイトルを狙ってほしい。なので、香川に期待することはわれわれの目標のためにチームに貢献してほしい。新しい環境、監督、チームメートとやってきた1シーズンなので、選手としてまた成長している。香川が身を置いてきた環境は、欧州の中でも素晴らしい監督がいるところなので、良い経験をしている。



――インテンシティーという言葉は世界のサッカーの主流を見て考えたのか?

ザッケローニ監督 インテンシティーに関しては、今までの自分たちの戦い方を振り返っても、これがピッチに表れているときに、チームの良さが出ている事実があるので続けていきたい。