コンフェデでの3連敗、東アジアカップ国内組の活躍。6月7月のザックジャパンは、課題と可能性が見えた試合が続きました。今日行われたウルグアイ戦は、新生ザックジャパンとしての再出発とワールドカップに向けての収穫と課題を発見する試合になると思いました。日本は柿谷が1トップで出場した他は、酒井が長友の代わりに左サイドバックで出場ぐらいで、コンフェデのフォーメーションで試合に臨みました。



 試合開始から非常にすばやいパス回しと左サイドを軸に攻撃を仕掛ける日本。柿谷もワンタッチでボールを渡そうとするなど、攻撃に絡んでいきました。非常に流れが良くて、ウルグアイの堅い守備を崩せるチャンスがあるのではないかと思っていましたが、ルガノ・ゴディンの亮センターバックを軸に守るウルグアイの守備は堅くなかなかシュートまで持って行けません。それでも、ウルグアイのお家芸カウンターには、長谷部が早いチェックで対応し、スアレス・フォルランにはボールを渡さず、日本のボールホゼッションが続きました。



 しかし、ウルグアイは一瞬の隙を見逃しませんでした。右サイドから抜け出したスアレスが、ゴール前にドリブルで突進。引き付けられたディフェンスラインをあざ笑うかのようにフォルランにパスを出すと、フォルランが流し込んでウルグアイ先制。本当に小さいすきなのですけど、それをゴールまで持っていかれてしまう。最後の最後で崩せない日本とは対照的に2人で崩してしまうウルグアイのワールドクラスの2トップの凄さ。決して、コンディションが良いとは思えなかったのですが、いやはやこういうプレーが出来るのはやっぱり強い。



 それでも、ボールはキープしているのだから攻め続ければゴールは奪えると思った矢先、立て続けにゴールされてしまいました。これも守備陣が簡単にファールを与えてしまい、絶好の位置から蹴ったフォルランのフリーキックがゴール右隅に吸い込まれ行きました。技術と集中力の差が2点目謙譲に繋がったわけです。2点目を奪われてから、日本代表はボールを支配されて回される場面が増え、良いときのプレーが見られないまま0-2で終了。どうしてこうなるのかちょっと納得出来ない前半でした。




 後半も布陣は同じままで、積極的に点を取りに来た日本。いきなりビッグチャンスがありましたが、岡崎がムスレラとの1対1を決めきれず、香川もこぼれ球を押し込めない。こういうチャンスを逃すと、逆に3点目のゴールを奪ったスアレスのポジショニングのよさと決定力の高さには脱帽です。こぼれ球をしっかり押し込むシュートは、さすがはワールドクラスのストライカーだと思い知らされました。結果、守備があまり良くなかった吉田は懲罰的な交代で、ベンチへ下げられました。




 0-3になってからも諦めない日本は、本田のワンタッチパスから決定的なチャンスが生まれ岡崎と相手DFが交錯して流れて来たボールを香川が押し込み1点を返しました。点は取れるようになったのですが、ウルグアイは決定的なチャンスを逃さず、またも右サイドを破られてクロスボールをゴンザレスに頭で押し込まれて4失点目。また4点取られてしまった日本にとって守備が世界との大きな差である事を思い知らされました。




 語群奮闘する本田がパスにキープに活躍し、フリーキックでゴールを奪っても、結局は守備の差でやられてしまう。日本の課題はコンフェデの時から変わっておらず、この差をどうやって埋めていくかがワールドカップまでの過大だと思います。連携に関しても最初はよかったですが、新戦力が加入してからは、ポジションが被ったりパスミスが出たりと駄目な部分が目立って来ました。攻めても攻めても最後の最後では止められるし、2点取ったのは個の力のある選手でしたが、それ以上にウルグアイとの試合運びの差が大きかった試合だったと思います。




 こういう厳しい結果になった事で、国内組との融合はもとより守備陣の再構築も必要です。1対1で守れるDFやボランチとの連携が取れるDF。ウルグアイのような意図のあるカウンターを可能にするロングフィードが得意なDFなどです。とにかく攻撃陣は攻め続けていい点が見えましたが、日本と世界の差は守備力であることが改めて浮き彫りになりました。最初は攻守の切り替えが速くて守りきっていたのが、小さな隙からピンチになってゴールまで行かれてしまう。これを1年でどうやって埋めていくかは、リーグ戦での個人のレベルアップと強豪チームとの試合でしかクリアー出来ません。改めてホームでの惨敗で、課題をどうやって克服するかザッケローニ監督には大きな宿題が与えられたと言えるでしょう。



ザッケローニ監督のコメント

 個のパフォーマンスには満足できる部分もあった。フィジカルコンディションはウルグアイの方が良かったと思う。われわれはチームとしても個としてもミスが多かったように思う。ウルグアイをほめなくてはいけない。世界の強豪ということで、パーソナリティーに優れ、老かいなチームだったし、コンフェデレーションズカップのときから良いチームだと思っていた。われわれよりも良かったときには対戦相手を認めることが重要だと思う。



試合後、長谷部のコメント
今日は、ウルグアイという素晴らしいチームとホームで戦えましたが、たくさんのサポーターに来ていただけたのに、こういう結果で申し訳なく思います。守備の部分で修正しないといけない部分がたくさんあると思います。攻撃に関しては後半少しできたと思いますが、ウルグアイの足が止まっていた面もあります。後半の攻撃を前半からできないといけない。チャンスの数もウルグアイの方が多かったと思うし、2-4という結果は妥当だと思います。自分たちも数多くのチャンスがあった中で、決め切れなかったことは今後の課題です。



試合後、香川のコメント
たくさんのサポーターの前でこの結果は申し訳ないです。後半に2点取れたのは良かったですけど、結果として4点を取られたのは、コンフェデレーションズカップからの課題を修正できていないということ。個の力でやられてしまったし、食い止められるようにしないといけない。ワールドカップまで1年しかないので、次の試合に向けて、また頑張っていきたいと思います。