日本代表は欧州のチームと試合をしたらこんなにも攻め切れないのか?しかも、セルビア・ベラルーシは既に予選敗退が決定しています。アジアのレベルの低さと欧州のレベルの高さと言ったらそれまでですが、ビッグクラブに所属している選手が多いのは日本代表のはずなのに、結局守備を崩せないまま一発を決められての2連敗。改めてザックジャパンの限界を痛感しました。



 結局、個の力はあるけれども、サイドチェンジや3人目の動きなどスペースを有効的に使う攻撃も無かったし、守備もカウンターに対する対応のまずさが多く見られました。日本の力は確実に上がっていると思っていた私の見解は間違っていたのだろうかと考え直さなければならないほどです。今日の試合はFIFAランキング80位のベラルーシですし、アウェイとはいえ勝たなければ、未来が見えないと思っていました。



 しかし、結果は日本の課題と問題点が浮き彫りになるだけの悲しい内容でした。決定力の無さやカウンターへの対応、ザッケローニ監督の采配や選手起用が上げられます。まず決定力ですが、ミスから得た決定的なチャンスを柿谷が決め切れなかった。スペインやドイツは中盤も素晴らしいですが、チャンスを確実に決める力があります。これは日本との大きな差です。アジアレベルでは圧倒的な力を持っているから、チャンスを何度も作ることが出来、決定力不足が浮き彫りにならなかった。




 しかし、欧州の中堅以下の国と対戦してもミスが無ければ崩せない。本田は個の力で打開しようとしていましたが、他の選手の動きが無いから結局囲まれて取られてカウンターを喰らってしまう。カウンターに対応出来ないからファールで止めてしまってイエローをもらうという悪循環。オシム元監督は日本の問題点として「ボランチとセンターバックのスピード不足」を指摘していました。今回の2連戦でもそれが露呈しました。



 ボールホゼッションが高くても、足元足元にしかパスが出ないしサイドバックが上がってきてクロスを上げても跳ね返されて、素早いカウンターを喰らう。ベラルーシは欧州でもまれているから、カウンター攻撃には非常に長けている。セルビアは更に個の力の高い選手が多いから、ゴールまで持っていかれてしまう。3月のヨルダン戦でやられたカウンターへの対応が出来ていないのです。



 そして、私は最大の問題はザッケローニ監督にあると思います。確かにセルビアに負けたからというのもあるのでしょうが、今回も不動のメンバーで試合に臨みました。選手の能力は高いと思いますが、試合に出場していない選手も居ます。今回は国内組からも選んでいるのですから、先発で使って欲しかった。イングランド代表のホジソン監督は、モンテネグロとの大一番でトットナムのタウンゼントを抜擢しました。正直、ネームバリューは右サイドのレノンと比べても高くないのですが、持ち味を生かしたプレーでイングランド勝利に貢献しました。



 

 日本代表はそういう事がないから、戦術に変化が無いしチームの成長が感じられない。例えば途中出場していいプレーを見せた山口を先発で使ったり、動きが良くない香川に替えてドリブルで仕掛けられる斎藤を投入するなど、出来ることがあったはず。3-4-3にフォーメーションを変更して混乱させるよりは、選手交代でチームに変化をもたらしたほうが良いと感じました。今回の東欧遠征は正直言って、日本代表とザッケローニ監督の限界を感じました。次はオランダともう1試合(多分ベルギー)との試合があります。そこではワールドカップに連れて行くメンバーに近い選考をすると示唆していましたが、それより先に監督交代させないと日本はアウトサイダーで終わってしまいますね。