昨日のワールドカップコートジボワール戦は、何かもの凄く消化不良の試合をやってしまって逆転負け。何か自滅した感じが否めませんでした。勿論、戦略的に戦って来たコートジボワールの術中にはまったのもありますが、采配然り展開然り残念でしょうがなかったです。残り2試合で2連勝は至難の業ですが、開き直って4年間の成果を出して欲しいものです。サッカーファンなら誰もが注目したワールドカップ初戦でしたが、気になったのは普段サッカーを観ないサポーターの存在です。



 今回のコートジボワール戦の視聴率は46%という日曜日の午前中としては驚異的な視聴率を記録しました。これだけの視聴率を獲得するのは、普段サッカーを観ない人達が多く観ていた事の証明になると思います。各地のライブビューイングでも、サムライブルーのユニフォームを着ている人が多かったです。しかし、彼らが国内のJリーグやプレミアリーグやブンデスリーガなどの普段のクラブチームの試合を観ているかといえば、余り多くないでしょう。いらっしゃったとしてもスポーツバーに集まっている人が大半ではないですか?




 こういう構図って実はアニメ業界にも当てはまるのです。Jリーグや海外サッカーを観る人はいわばサッカーヲタクと言ってもいいと思うのですが、はっきり言って本田のプレースタイルは知っているとしても齋藤学のプレースタイルって普段からJリーグを観ている人じゃないと知らない人が多いと思うのですよ。それと同じで、アニヲタに代表されるコアな人間しか観ていないのです。



 ただ、ネット上の意見を書き込みが多いだけで、実際は世の中の人には殆ど知られていないのです。例えば新宿で「ミューズ」といえばという質問をしたら99人は石鹸と答えるはずです。ラブライブ!は、アニヲタの中で人気を席巻していますが、一般層には全く浸透していない。非常にJリーグと日本代表の構図と似ているのです。まとめるならば、現代のアニメファンはコアなヲタクしかいないといってもいいのです。



 サッカー界はワールドカップがあるから、コアなサポーターもにわかなサポーターも両方楽しむ事が出来ます。形はどうあれサッカーという競技を見て日本を応援する。サッカーというスポーツのファンを受け入れる幅の広さを感じます。にわかな人がドンドンサッカーを好きになって、コアなファンとなって4年後も代表を応援する形が出来れば、イングランドやスペインのようにサッカーが文化となっていくと思います。



 しかし、アニメ業界はヲタク層が観るアニメと一般層が観るアニメが異なっていて、完全に分裂していると言ってもいいのです。例えばアナと雪の女王というディズニー作品がありますよね。興行収入も200億円を超えて歴代3位となりました。毎週のように興行収入1位ですし「ありのままで~」ではじまる歌は何度も聴いてますよね。じゃあアニヲタがアナ雪について話題にしているかといえばそうじゃないですよね。



 はっきり言っちゃうとアニメの色が全然違っているのです。アニヲタはラブライブ!やごちうさのような画を好みます。声優も深夜を中心に活躍してる方を応援している。一方、アナ雪は芸能人を起用していますし、キャラクターデザインも日本の萌え画とは異なっています。つまり、一般層に受け入れるように作られている。日本を代表するアニメであるジブリ作品も同様で、同じアニメでも完全に分断されている。サッカーとはここが決定的に違っており、余りアニメに興味が無い人が入って来られない状況が出来ているのです。



 コミケでは3日間で60万人の人が訪れますが、実はこれはこの人達しかいないという視点でも観る事が出来るのです。お盆や年末年始に同人誌を買いに行く人は、私を含めてマイノリティな存在でメジャーになる事は決してありません。サッカーはワールドカップという皆が盛り上がれるものがありますが、アニメには決定的な違いがあるからなかなか皆で楽しめる作品が出てこない。ビジネスモデルの弊害と言っても過言ではないでしょう。