8月11日に就任したサッカー日本代表ハビエル・アギーレ監督は、精力的にJリーグの視察と選手の予習をかねてビデオや試合を観たそうです。そしてアギーレ色が現れたのが、9月5日札幌でのウルグアイ戦と9月9日横浜でのベネゼエラ戦のメンバー23人です。はっきり言って誰も予想していない選手の名前があったのでびっくりしました。ゼロベースでの選考の現われだと思いました。それではメンバーの紹介です。



サッカー日本代表メンバー発表

▼GK
川島永嗣(スタンダール・リエージュ/ベルギー)
西川周作(浦和)
林彰洋(鳥栖)

▼DF
水本裕貴(広島)
長友佑都(インテル/イタリア)
森重真人(FC東京)
吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)
酒井宏樹(ハノーファー/ドイツ)
坂井達弥(鳥栖)
酒井高徳(シュトゥットガルト/ドイツ)
松原健(新潟)

▼MF
長谷部誠(フランクフルト/ドイツ)
細貝萌(ヘルタ・ベルリン)
田中順也(スポルティング・リスボン/ポルトガル)
森岡亮太(神戸)
扇原貴宏(C大阪)
柴崎岳(鹿島)

▼FW
岡崎慎司(マインツ/ドイツ)
本田圭佑(ミラン/イタリア)
柿谷曜一朗(バーゼル/スイス)
大迫勇也(ケルン/ドイツ)
皆川佑介(広島)
武藤嘉紀(FC東京)



赤字が初選出の選手



 海外組12名、国内組11名のメンバー構成で、国内組から初代表が5名選ばれています。ポジション別に分析してみましょう。GKはブラジルワールドカップで正ゴールキーパーを務めた川島と第2キーパーの西川が選ばれました。そして第3ゴールキーパーに選ばれたのが、Jリーグで好調のサガン鳥栖の林です。体格に恵まれているGKで予備登録されていた選手です。ある程度実績のある選手が選ばれたと言えるでしょう。




 DFはセンターバックはブラジル組の吉田と森重が選ばれ、水本も復帰しました。そして、多分日本中のサッカーファンが「誰だ?」と思ったのが鳥栖の坂井達弥です。東福岡高校から鹿屋体育大学に進学後、特別指定選手として鳥栖でプレーした後正式に契約した23歳。今シーズンは4試合の出場にも関わらず、左足からのロングフィードが得意でそれがアギーレの目に留まったと思います。


 サイドバックに関してはけがの内田以外は順当なメンバーですが、ここでもサプライズがありました。アルビレックス新潟の松原健です。大分から今年新潟に移籍後右サイドバックのレギュラーを獲得。積極的なオーバーラップと運動量が武器で、本来はU-21のメンバーとして名を連ねるはずが代表入りとなりました。名前ではなく自分のコンセプトに合う選手を選ぶ。それがアギーレ流だと印象が残りました。



 中盤はキャプテンを務めた長谷部とドイツで地位を確立している細貝。ポルトガルへ移籍した田中と鹿島の司令塔柴崎とロングパスが得意な扇原が選ばれました。その一方で常連だった遠藤と今野が落選となり、世代交代が進む予感とにおわす結果となりました。そして、こちらにも新顔が登場しています。ヴィッセルの司令塔を担う森岡亮太です。スルーパスとミドルシュートが得意で、最近は少なくなった典型的な10番タイプの23歳。司令塔という意味では面白い選考だと思いました。



 FWは岡崎・本田・柿谷・大迫とブラジルワールドカップメンバーが名を連ねましたが、怪我をした香川と原口は選ばれませんでした。香川は瀬戸際に立っているので、今後試合にコンスタントに出場する事が必要になると思います。逆にミランの右ウイングで存在感を示す本田は、アギーレジャパンでも活躍が期待されます。今度こそ口だけにならないように願います。そしてFWにも新戦力が選ばれています。



 FC東京で大ブレーク中の現役慶応大学の学生武藤嘉紀は、サイドアタックと思いっきりのいいシュートを打てるイケメンの22歳。彼は間違いなく第2の内田のように人気爆発しますね。更に高さと強さを持つ大卒1年目のルーキーサンフレッチェ広島の皆川佑介の召集には、坂井同様「マジですか?」と叫びました。チャンスは誰にでもあるというメッセージだと思います。ゼロベースの選考と9月・10月・11月の6試合でアジアカップに連れて行く選手を選ぶというアギーレ監督の采配とチーム作りに注目しましょう。