高校生の時に始めて買ったCDはOrnette Colmanの「at the GoldenCircleVol.2」で、次に買ったのが、LeeKonitzの「Motion」だった。
理由は単純明快で、高校の時に一緒にジャズをやろう!って声をかけてくれた仲間3人の担当楽器が、クラリネット、ドラム、ベースだったから参考にするジャズの名盤・名演を参考にしようということで買い求めた。
Ornetteのアルバムのことは他でも書いているので割愛するが、とにかく次は失敗しないようにしよう、ちゃんとスタンダードで参考になるような演奏が収録されているものを買おうと決意して入手したのが「Motion」
これもジャズ喫茶のマスタ―や常連さんには大笑いされることになる。
でも、こっちは真剣に聞くわけだ。I Remember Youとか、All of Meなど当時の曲集に入っている曲が目白押しだからね。You'd Be So Nice to Come Home toとか、Art PepperとかHelen Merrillとかで聴いて知っているし。
でも、いっこうにメロディが出て来ない。ずっとアドリブで、途中や最後の2小節位で片鱗が出てくる位。
でもベース担当の僕もドラム担当の大成もサックスの大介も、(今になって思えばジャズの神髄が詰まっていて良いスタートだったと思う。)このトリオの演奏を聞き入った。特にElvin JonesとLee Konitzのフルコーラスバース、8バース、4バース
2バースとバースを短くしていくところとか、真似してみようとしたり、Sonny DallasがElvin Jonesの気持ちよいレガートに合わせて4ビートのランニングソロを延々と奏でるのが聞いていて心地よかったり…。
だけど、いつからか、この最初に買ったCDが家にないのだ。
前から「ドッミッミー♪」から始まる(合ってるかな?)I Remember Youを聴きたかったが、なかなか近所の中古屋では出回っておらずだし、DiskUnionとかには滅多に行かなくなったので、まぁ見つかったらで良いかと思っていた。
先日娘と散歩がてら立ち寄った中古店にて、ついに発見!700円と格安だ。思い出が堪能できるし、中身の濃さからしたら超格安だ。
プレイもそこそこやるようになって自宅でこのMotionを聴くのは初めてだ。
しかーし、のっけから進行についていけず迷子になってしまった。まだまだだな、自分。
I Remember Youの解析だけでもうぐちゃぐちゃ。Aメロ8小節だけなんかな…A8小節B8小節C12小節でやってる?何しろコード楽器はないしLee Konitz先生はのっけからアドリブで最後の最後までテーマ吹かれないので、頼りはベースラインとかコード感なのだが、だめだ、ついていけない。でも、演奏している大先生はきれいにエンディングへ…。
バラードのYou don't Know What is Loveとか何曲かはわかりやすくて幸せを感じる。
最後のIt's You or No Oneとかしかもドラムソロの途中で3音間違って出ちゃってるし、エンディング後の会話も面白いし。
そうして、60分以上の演奏がアッという間に終わっていく。(要するにこの文章書き始めてからもう60分経過)3回通して聴いたりすると3時間以上、このアルバムだけを聴いていることになるわけで。すげー吸引力。この3日間子守歌のように流している。
で、改めて、そういえばこの凄いベースを弾かれている方のことを調べたことがなかった。と気づき少しネットやジャズの本を漁る。そして最も驚いたのは、Ray BrownとPaul Chambersという後の巨匠にベースを教えられていた、という驚愕。どうりでスゲー巧いわけだ。少し謎が解けて嬉しかった。
ある意味、このアルバムをジャズを聴き始めてから現在も聴き続けている、ということ、が僕であり、僕は、51歳になっても16歳の頃に培われた感性を何ら変わらず持ち続けられている。そのことに感謝。
ということで、51歳になっても、16歳と変わらぬ感性の佐久間で頑張って行こうと思っています。よろしくお願いいたします。