痺れた話。
ごくたまに本厚木の高級クラブ、いわゆるラウンジという感じかな、のBGMを務めている。グランドピアノと素敵な空間の中で、素敵なピアニストの方と共演できる機会にもなっている。
深井克則さん、若林稔さん、三木成能さん、紅野智彦さん、故橋本宏之さん、などたくさんの第1戦で活躍するジャズピアニストとBGMという制限の中で共演させてもらっている。この経験は音楽経験としては貴重である。ブッキングで声をかけてもらっているダーナさんとお店のママに感謝である。
先日は、吉田重二さんというこれまた凄い弾き語りのピアニストとの共演でした。
BGMということを忘れてしまう程(忘れてはいけないのですが・・・)30分~40分の1ステージがアッという間に過ぎてしまいました。次の曲までの曲間のコードワーク、その思索する時間、音を紡ぎだす瞬間瞬間が堪らなく格好いい。
そして、訥々と歌い始めるとしゃがれた声で激渋のスタンダードを語り始める。
その歌とメッセージの混ざり合った感じは、JimmyRowlesやMattDennisとかを彷彿とさせるし、いや吉田重二さん、そのものなんでしょうけど、これが恰好良くて、共演しながらしかもBGMなのに、イエーイ!とか声出しちゃった。
僕は、と言えば、曲についていけなかったり、アルコでテーマ取って見てもらえるというリクエストにこたえきれずで、課題が残りました・・・。でも、またやろう!と言ってくれて、また大きな課題が生まれました。こうでなくちゃ。
深井さんからもらった課題も日々取り組んでいる最中ですが、また大きな課題を、仕事を通じて、もらっているのです。
You Look Good To Me ってジャズ人生で初めてやりました。Oscar PetersonのWe Get Requestに収録されていて耳なじみがありますよね。そのメロディが出て来て、「あぁ、なんだっけこの曲・・・あ、You Look Good To Meだ」とか脳内をめぐりながら、ついていくわけです。
帰宅してからピアノで反芻したりして(お恥かしい限り)。
銀座のクラブで20年以上、六本木のクラブで10年以上、そのキャリアを夜のお店で過ごされていて、ライブシーンには顔を出されて来なかったとのこと。ですが、この歌声、たくさんの方に聴いてほしいなぁ。と思った、痺れた時間でした。感動というのはこういうものなのか、とも思う。
なんだか久しぶりに興奮しておりまして、その興奮している理由を突き止めたくて、徒然書いてみました。
感動というのはこういうものなのか、とも思う。
自分もこういう感動を与えられる人間、表現者であるのか、と自問自答したりする。
先日の振り返りをピアノでしつつ、コントラバスの練習をもっとしようと思っていたりする自分がいる。再演する機会までに、何とか同じ轍は踏まないようにしよう。と捕われている。
この感覚、この絶対的な求道が日々の糧であると思う。