以前、和風歩行と洋風歩行の違いについて書きました。
和風歩行は足を床に平行に滑らせるように歩き、洋風歩行はかかとで着地して歩きます。
この二つは上半身の動きも違います。
和風歩行は体の軸を左右に二本もちます。洋風歩行は軸を体の中心線に一本もちます。
それぞれどういう歩き方になるでしょうか。
和風歩行では、板が右左に揺れながら進むような感じです。
それに対して洋風歩行では、板がねじられて進むようになります。
ダンスでは当然、一本軸の歩き方をします。
左足を出すと同時に右手を前に振り、右足を出すと同時に左手を前に振ります。
今でこそ、日本人もこの歩き方が普通だと思っていますが、昔は違っていました。
左足と左手、右手と右足がいっしょに前に出ていたのです。
この歩き方は今でも歌舞伎などに見られます。
和風歩行じゃないと、着物を着たときに着崩れしますし、刀を腰に差したときに、歩くたびに刀がふらふらと左右に揺れます。

日本人の生活に適した歩き方でした。
しかし、この歩行方法では戦いの時、うまく走れないということで、明治になって(ドイツ式)軍事教練で西洋風に訓練したそうです。
学校でもこの歩き方を子供たちに教えました。
ダンスでは体のねじりが大切です。ぜんまいのように体をねじって反動で瞬発力を生み出します。
確かにパワーが出ますが、これも体には負担がかかります。
和風歩行と洋風歩行それぞれに一長一短があります。