ゴールデンエイジまでにサッカーの魅力を実体験した子供たちは、やがて大人サッカーへの入り口である中学生へと進む。

大人サッカーというのは、自分以上の実力を持った相手に対して通用するプレーができるということだ。

つまり、ますますサッカーの楽しさが深くなるということだ。

その昔、「人は、2度生まれる」と言った偉人がいるが、サッカーにおいてもそうだとしたら、「サッカーにおける2度目のスタート(誕生)」が、この中学生年代だ。

そして、この年代で身に付ける「サッカーの能力」は、無限だ。

個人戦術と、基本技術と、基礎体力に、「知恵」を加えたサッカーの能力は、やがて「グループ戦術」の遂行へとつなげるのがバルツォ流。

ただこれは、特別なことではなく当たり前のことだ。

しかし多くのチームは勝負に走り過ぎる為に、チーム戦術に頼り過ぎたり、ほんのさわりを少し経験させるだけのことが多い。

グループ戦術は、様々なことをこの年代の選手に教えてくれる。

それまでの「自分が一番!」を主張するプレーから仲間を知り、その仲間と力を合わせるには、「呼吸」「間合い」をつかみ、「意図や狙い」を見抜き、さらには、他者側から自らのプレーを見てみることも必要になるかもしれない。

意外と、グループ戦術をシンプルに指導するのは難しい。

また、そのレベルに至っていない場合は、小学生のところまで戻ることも時にはある。

中学生の心身は、不安定なこともある。

しかしそれは、方向性を見いだせば、素晴らしい可能性を発揮するエネルギーを持ち合わせていることでもある。

小学生まではごく普通のプレイヤーが、まわりの人も活かすプレーで頭角を現すことも珍しくない。

サッカーの能力が無限なら、遊びの教育も自然であり、無限でありたい。

by ベアーズコーチ