ダウン症の親は出産後早い時点で、子どもの「異常」を告げられ、その障がいを知ることとなる。
育てていく途中も常に、「異常」と共にあるので、「普通」への憧れはとても強い。

できるだけ「普通」に近い環境で「普通」のお友達を。
そんなわけで、通園施設より幼稚園・保育園、養護学校より支援級、支援級より普通級を望みたくなるのが親の心情である。

かくいう私もその一人。
すごく頑張ったら「普通」に近づけるんじゃないか。
そんな気持ちではじめた娘の子育て。
でもだんだんにそうでないことを知る。
そして、知ったところですぐに気持ちが収まるわけではなく、本当の受け入れには数年かかった。(多分今だって完了していない(笑))

そして、下の健常の息子の子育て。
この子は妊娠経過も「標準」生まれた体重も「標準」。
憧れの「普通」だった。
そして、ずっと「普通」だと思って育てていたけれど、保育園入園後、先生に色々指摘を受け、焦る自分がいた。

いろいろな経過があったのだけど、あるときふっと気づいた。
息子にも「普通」である事を強く求め、当てはめようとしていた自分に。

そして、初めて気がついた。
「普通」って幻想なんだと。
確かに数値の上では「普通」ってあるし、娘たちよりは成長のペースが速いという事実はある。

でも、「普通」ってないんだ。
十人十色、いろんな個性と発達がある。
当たり前なんだけど忘れていた。

保育園でいろいろあったとき、義母が言った。
「パパだって、小学校の時学校の先生に「問題児だ」といわれたことがあるの。でもね、私は言ってやったわ。「あなたの方が問題教師だ!」とね 」

これだーと思った。
少し変わり者(多分)のパパがのびのび優しい人に育ったのは、これだったのだと。

そんなわけで私はその時から、息子にも「普通」を要求することをやめた。
そしたら、自分もすごく楽になった。
「あなたはあなたのままでいい」は
「私は私のままでいい」なのだ。

そんなわけで、今は娘は私の呪縛から解かれてのびのび育ち、息子はその不思議っぷりをあげている。

私も時々「キーッ!」となりながらも、楽しい毎日を過ごしている。

2008年07月15日 mixi日記より